劇場公開日 1955年1月29日

「バックに流れる『モナ・リザ』」裏窓 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0バックに流れる『モナ・リザ』

2023年6月1日
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マサシ
Gustavさんのコメント
2023年6月3日

マサシさん、コメントありがとうございます。
女優を美しく見せることに関してヒッチコック監督はずば抜けた才覚の持ち主で、映像も特に色彩映画で顕著に表れていると思います。やはり「ダイヤルMを廻せ!」と「裏窓」のグレース・ケリーが最高ですね。ロッセリーニ監督に取られたイングリッド・バーグマンもお気に入りでしたが、ケリーも結局モナコ公国王に持っていかれました。ケリーの代わりが「鳥」「マーニー」のテイッピ・ヘドレンですね。しかし、関係は余り良くなかったようです。「めまい」一作で終わったキム・ノヴァクは、「愛情物語」「ピクニック」と並ぶ彼女の代表作にして、作品はヒッチコック監督の最高傑作の一本になりました。その他「レベッカ」「断崖」のジョーン・フォンテインなど、清楚な正統派美女が恐怖に慄く姿を映画的な色気(それは性的な意味も含めて)として表現しました。60年代後半以降に美男美女のスター俳優を使えなかったのは、ハリウッドがヒッチコック監督を正当に評価していなかったのもあると思います。時代もただ美しい女優より個性のある女優が求められるようになり、それはヒッチコック監督が求める女優ではなかった。無垢な美しさと恐怖の組み合わせが、ヒッチコック監督の本質、本領ではないかと思われます。

Gustav