劇場公開日 2010年8月21日

  • 予告編を見る

「ニャンとも言えない出来です」キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ニャンとも言えない出来です

2010年9月5日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

夏休み最後の週末ということもあってか、お客は子ども連れの家族ばかり。
予告編でも完全にファミリー向けな感じだったし、いい大人が独りで観るにはちょっと躊躇してしまう映画だ……ま、観ましたけど。

イヌネコのスパイ合戦ということもあって、この映画は『007』シリーズのパロディが盛り沢山。シリーズをよく観ている人なら思わずニヤリとしてしまう。
白ネズミを撫でる悪の親玉!
鋼鉄の歯を持つ巨猫・ボーズ!!
『ゴールデンアイ』みたいな衛星兵器!!!
セクシーな姉ちゃんの代わりにイヌネコの影絵が踊るサイケなオープニングなんてハイテンションで最高だし、ネコの秘密組織『ニヤオ』のボス・レイゼンビーの声をロジャー・ムーアが担当するという、ヤヤコシイことこの上ないパロディもある(J・レイゼンビーは2代目、R・ムーアは3代目ボンドを演じた役者さん)。吹替版しかやってなかったんで実際の声は聞けなかったんですけどね。
その他『バットマン』や『羊たちの沈黙』などパロディ満載。
だから映画を割りと観ている親御さんならそこまで退屈はしないだろう。

勿論、子どもにゃそんなパロディは分かるまい。
映画のパロディ以外は低年齢向けのギャグが殆んどだ。たが、果たして子ども達が喜んで鑑賞していたかどうかは……。
始終ケラケラ笑ってる子もいるにはいた。観客みんなの間で笑いが起きたシーンも幾つかあった。けど上映後の反応を見る限りでは、ビミョーな所。全体的な印象として、大人にはやや幼稚過ぎて、子どもにはやや笑いのベクトルがズレている。まぁそもそもアメリカの子ども向けの笑いってのも不利な点か。

アクション要素もあるにはあるし、おかしな秘密兵器もドッサリ登場して楽しいが、その辺りも過剰な期待は禁物である。

いやー、大人も子どもも喜ばせる事ができる映画を作るのって難しいもんですね。
コメディ要素の強い映画となれば尚更難しいんじゃないかしら。
僕が高校の頃に公開された前作は観ていないが、当時全米でスマッシュヒットを飛ばした映画だったと記憶している。前作は大人も子どもも楽しめる映画だったのだろうか?
ちょっと確かめてみたいなぁ。

という訳で、イヌやネコがとにかく大好きというご家族や、『007』が好きな親御さんなら割りと楽しめる映画かも。

ちなみに今回観たのは2D版。観るのは3D・2Dどちらでも構わないかと思います。お好きな方でどーぞ。

<2010/8/29鑑賞>

浮遊きびなご