「タイトル•副題…全てがアンマッチな不思議な物語」抱擁のかけら もしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトル•副題…全てがアンマッチな不思議な物語
抱擁のかけら…究極の愛の物語…もうこの時点で何かが違いすぎる笑
物語は盲目のエロオヤジが引っ掛けた若い女性とセックスをすることから始まり、エルネストという人間の死のニュースにエロオヤジが明らかに動揺しつつ、そこにそのエロオヤジの身辺の世話をしているらしき親しい女性とその息子が登場し、過去へ…。
これらの関係は直ぐにはわからず、徐々に明らかになり…エロオヤジ=マテオと大企業の社長=エルネスト、その愛人のレナとマテオの仕事仲間ジュディッドが参加した世にも悲しい物語へ。
愛人をマテオに取られそうになっているエルネストの偏狭っぷりはその悲しさや必死さ、変態度合いがまったく伝わらないほどにすごい!!愛人の映画撮影の場に息子を四六時中カメラを回させ監視、それを口読をつかって彼女がマテオと何を話しているかも再現させる徹底っぷり…。レナがエルネストの元を離れることを宣言すると、レナを突き落としたり暴力をふるったりと、偏愛ってこういうことをいうのでしょうね。
レナもまたすごい!!エルネストと日々和やかに暮らしていると思いきや、マテオと出会って惹かれあってからというもの…っていっても、しばらくどっちもうまくやってたし…
マテオはもうレナにぞっこんで、エルネストに日々怯えるレナをなんとか救い出そうと…っていうか、レナを好きだったんですよね。んで、四六時中一緒にいたかったのかと…。
そんなマテオとレナに復讐の手はさらに強まり、二人が作り上げた映画はエルネストの手で最悪の映画に編集され公開されてしまう。
その事実を確かめるため、逃げていた場所からマドリードに向かう途中、マテオとレナは事故にあい、レナは命を、マテオは光を失う。
映画監督として、好きな女の映画は台無しにされるは、好きな女自体は亡くなるは映像に携わるものの命といっていい光を失うは、レナとの愛でマテオが得たものは計り知れない絶望…と思いきや、そんな暗いテンションにならないのもまたアンマッチな感じ…
そして、ジュディッドはマリオを愛していて、その嫉妬でエルネストに協力をしてしまった過去を語り、そのせいでレナが亡くなり、マテオが盲目になったという十字架を負う。
なんか、愛ってことで言えばジュディッドがマテオをずっと思い続けて、心配し続けていまも一緒に仕事をしている…そして、マテオとの子供を一人で育ててるってことが1番関心はしたものの、それぞれの愛を爆発させて事件になっているものの、本当に愛の…って語るのがおかしいくらい、まったくもってそれが伝わらないのは、淡々と進みながら、時間をいったりきたりする演出のせいでしょうか?
といっても、駄作ということではなく、2時間が長くかんじられないくらいよかったし、なにせペネロペがめっちゃ素敵。ゴールドのアクセジャラジャラの衣装も、海岸でマテオに抱きつく白地に花柄のワンピースも、劇中映画にでてくる茶色のサックドレスもめっちゃ可愛かったし、とにかく、惜しげなく脱ぐ。もうナイスバディすぎて、いやらしくもない…。カツラを変えればまたいろんなペネロペが楽しめ、これだけでまずは楽しめました。
そして、インテリアがいちいちオシャレ!マテオの家の本棚も、エルネストの家の信号機みたいな映写機?も、マテオの家に飾ってあるスペイン地図ですらオシャレ!
最後に、全てを失った映画監督が、愛する人を撮った最悪の映画を再編集して蘇らせようというところに至る話しがとてもよかったなぁ…と。書いていてきづいたけど、究極の愛ってこれのことか?
という、本当にいろんなことがアンマッチでしたが、結構楽しめました。ただし、パッケージと題名と副題には騙されないでください笑