「タイトルなし」エスター らららさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
面白いです。話の引っ張り方、いつ恐ろしいことが起きてもおかしくないような、背後に常にエスターがいて狙っていそうなカメラアングル。
絵に描いたように幸せな家庭が養子を引き取ったというより、どの家庭も何か問題や悩みを抱えているもので、その辺りをつつき崩壊させていくというところも。
最初はエスターが芸術肌の繊細な子どもだと思えて、いじめっ子やお兄ちゃんが憎らしくみえました。
いじめっ子をやっつけた辺りは快感ですらありました。
お兄ちゃんは実妹マックスが難聴なのに手話も覚えず遊んであげることもなく、エスターにもひどいこと言い過ぎで感じ悪い。
生意気なくせに窮地に陥ると結局「ママー」と情けない感じはちょっと可愛い。
エスターはすぐに手話を覚え遊んであげてマックスは懐きますが、それもエスターの作戦で口唇術を利用した辺りは舌を巻きました。最後までマックスがエスターを信頼していたらさらに面白かったかと。途中から利用の仕方がストレートすぎるし恐怖による支配に代わり、行動も行き過ぎ。
それでも子どもならばなぜこうなったのか、可哀想に見えていました。
段々「エスターはもしかしたら?」と疑わしくなり、予測は当たりました。
それでも、絵の才能はホンモノだろうしピアノも弾けて元お嬢様?なぜこうなった?どんな育ち?具体的な説明はありません。
またエスターは実は顔はメイクと入れ歯でした!より子どもの顔のままでよかったです。
大人の顔で付け狙うより、可愛い子どもの顔で恐ろしい形相の方がさらに怖いのではないかと。しかもメイクを取った顔は33才ではなく、55才くらいに見える。監督の33才のイメージがショックすぎる。歯が汚い理由も分からないし(薬でもやってたとか?)
あの絵が「子どもに見られ大人の男性から相手にされないから欲求不満だった」なんて心理を示してるならちょっと失礼でイヤですね。恋愛したいなら子どものフリしなければいいので。(むしろ子どもだと認識した上で襲う人はいなくてよかった·····)
現実にいそうな人にしてしまうと、不謹慎になりかねないから、現実離れしまくった設定になったのかもしれないですね。
とにかくエスター役の子、マックス役の子が可愛くて上手かったです。
パパが殺されてしまったのはびっくりしました。いい人なんだけど10年前に浮気はするし、妻を信用しないし妻を姑が虐めてたことと無視、エスターがおかしいことにも気づかず家族を危険に晒したからでしょうか。