母なる証明のレビュー・感想・評価
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緻密にディテールを紡ぎ上げ、母の心のうねりを描き出す傑作
ポン・ジュノの映画では決して絵に描いたような「善」がまかり通る訳ではない。むしろ、社会通念や法では許されない行為に至る過程や登場人物の心のうねりをダイナミックに描き出すところに彼の手腕は光り、その筆致の深さが映画の陰影を際立たせ、社会の暗闇をじっと見据える視座を我々にもたらしてくれる。
「母なる証明」は笑える箇所もたくさんある。そしてその分だけ闇も深く、非常に風変わりな物語構造の中で「母親」の心情がえぐられていく。見た目は地味な物語なのに、「自宅の奥から表の様子を伺う」「水たまり」「針のケース」などの要素が幾度か繰り返される中でそれぞれの意味を持ち、土砂降りの雨の中で傘がパッと咲く場面が「目配せ」のように機能する様など、ポン・ジュノが我々に向かって発信しているメッセージも多い。濃密なミステリーであると同時にどこか観客までも引きずり込み共犯関係に仕立て上げる構造に凄みすら覚える怪作である。
2つの隠蔽
息子のためなら、どんな事もする母親像を描いたのか?
母は、女子高生殺人の犯人として逮捕された《知的障がいのある息子》
の無実を信じる、
たとえ信じていなくとも、息子が犯人とわかってしまっても、
母は息子を守る。
そのためには、目撃者の老人を家もろとも焼き尽くしてしまう
のもいとわない。
そして誤認逮捕されるもう1人の知的障がいのある青年。
息子の身代わりになった青年を拘置所に訪ねる。
そうして、質問する。
「お母さんは、いるの?」
青年は肯定しない。
母は安心する。
この青年のために、自分のように奔走する母親は、
いないのだ。
ファーストシーン。
乾いた色に染まる枯れ野の広がる丘を、母は歩いている。
片手で顔を隠して。
目を隠して照れたように笑うと、後悔したような表情に変わり、
口を覆いながら踊り続ける。
ラストにも意外な展開がある。
放火した廃屋から息子があるものを拾ってくる。
それは母の鍼灸道具の入ったケース。
息子は知ったのだ。
それでも母は後悔しない。
町内会のバス旅行のバスのシートで、太ももを露わにして、
自らの太ももに鍼をうつ。
その場所は記憶を無くすツボだった。
母の愛が狂気を放つ。
舞う女
これは、貧困がテーマなのだろうか。知的障害のある子を、一人きりで面倒を見る母。金や米を得るために、体を売る少女。彼女達をサポートしてくれる人はいない。がんばってがんばって、折れてしまった時に起こる悲劇。やるせない。
真犯人はトジュンかもしれないが、もしかしたら別にいるかもしれない。だとしたら、結局誰なのか。殺されたアジョンと関係を持った誰かか。ゴミ収集のおじさんの言うことが正しいのか。トジュンの母は、無意味なことをしたのか、それとも意味あることをしたのか。トジュンの後に逮捕された少年に対して、「お母さんはいるのか」と泣きながら尋ねる母。彼が無実であることを、誰が訴えてくれるのか。
トジュンの母は、けっこうお金を工面できるのね。割にちゃんとした服を着てるし。弁護士費用も何とかするし、トジュンの悪友ジンテにもお金払うし、借金したのか、またはハリ治療で稼いだのか? しかし、ハリは新調しないと使えないねぇ。ラストは、まるでプッツンしたかのように、踊る母。冒頭も踊るが、無表情で、言葉にできない鬱屈したものを吐き出すみたいだ。ダンスで始まり、ダンスで終わるのは、無言の叫びを表しているのだろうか。
ウォンビンの顔がかわいい。
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
母の愛と狂気
わかる。母親って子供のためなら、人だって殺せるよね。
殺人のシーンにリアリティが無かったので、★マイナス0.5
真相はわからず、結局は、人の語りから想像するしか無い
前半のゴルフのシーンって、証拠となるゴルフボールのためだけなら、長すぎる
キャラ渋滞しすぎなてんもマイナス
でも何よりも、母親の愛情=狂気の説得力と美しさい表現に圧倒される
踊るシーンは美しく、胸を打つ
凄い映画を観た
今度ポン・ジュノ監督の新作「ミッキー17」が始まるので前から気になっていたこの作品を鑑賞。見終わった感想は凄い面白かった。見終わったあと呆気に取られてしまった。もちろんよい意味で。家族と見終わったあと感想を言い合ったが気が付かなかった箇所が幾つかあった。1つは主人公の名前が無いこと。みなオバサンとか母さんと読んでいたので言われてみれば名前が無かった。もう1つは女の子を殺したのは計画的ではなく「バカ」と言われて条件反射で切れてしまったこと。これは作中に丁寧に描かれていたが忘れてしまっていた。最後の嫌な記憶を消すツボの描写は見事だった。とにかく新作を楽しみにしたい。
ラストも石もあり得ない
パラサイトはなんか普通。殺人の追憶でとんでもない作品だ!と思わされての母なる証明だった。
個人的にはあり得ない作品となった。
息子が帰宅するシーンを元に母が無実を証明しようと必死になっているのを、我々は鑑賞しているわけですよ。
ラストの方でその前半のシーンが間違っていた事を後出ししてしてくる。
それならさ、前半のシーンは酔っ払っていたのだからカメラワークで酔っている表現とか、もっと朧げにとかできただろ!他にも前半シーンは主人公主観、ラストは第三者や固定カメラ主観、とかできたやろ!なんなら前半のそのシーン丸々いらなかったわ!息子は朦朧としていたんだからね!
事実と全く違うシーンを事実のシーンっぽく映しておいてラストで違かったとかガッカリでした。
羅生門にも遠く及ばない。
石も石。投げて一撃で殺せるあの石の重さって、何なんだ。怪力すぎる。
映画の方が
エグかったです。当時、母親が廃品回収業の人を叩きまくっているシーンがもっと長く鮮血が飛び散り画面が赤、赤、そこへ炎の赤も加わり
二度と観たくない、と思ったものです。ウォンビンが出るから、と思って観たらその意味では期待外れでした。邦題から、母とは最愛の息子の為ならここまでするのだ、これが母なのだ!
と投げかけられたようで納得しなければいけないのかどうか。
ありえそうで怖かった
・冤罪と思われた青年が実は真犯人でその証言者を母親が殺して真犯人として別の男が現れて事件は終了というどこにでも起こり得そうな話で恐ろしかった。
・随所に伏線が貼って合ってそれを随時回収していって凄いなぁと思った。あんまり覚えてないけど、そういう印象が強く残った。憶えてるのはラストの内ももに鍼を打って嫌な記憶を消してしこりを消すのを打ってほしくなった。
・弁護士の人が依頼を投げたのかと思ったら、微妙に精神科医と検事と口裏を合わせるために接待してたのが意外だった。
・母親が息子の無実のために行動する姿を観ているといたたまれず、苦しかった。葛藤よりも犯人探しに焦点が合ってる感じがあって何とか観られた。
・最後に冤罪として捕まった青年がとても可哀そうだった。
・心中するときのエピソードで淡々と農薬の種類の話してたの印象深かった。2種類あって、弱いのを使った。あの時強いのにしてたら…とか何かリアルだった。
・殺された少女は一体、どういう経緯で商売をしていたのだろうと少し疑問だった。幅が広すぎて、最後は廃品回収のおじいさんだったけど。
愛の為に踊らされ、忘れる為に彷徨し踊る
ポン・ジュノ監督2009年の作品。
開幕シーン。キム・ヘジャ演じる“母”が枯野で踊る。
クライマックスの母の彷徨を表した印象深いシーンなのだが、ポン・ジュノによるキム・ヘジャへのサービスカットのようにも感じた。
キム・ヘジャは“韓国の母”と呼ばれる大女優。ポン・ジュノにとっても憧れの女優であろう。
日本で言えば、中堅~若手の監督が吉永小百合を主演に招いて映画を撮ったようなもの。
日本だったら吉永小百合接待の毒にも薬にもならない安直な感動作になるだろうが、本作はポン・ジュノ映画。キム・ヘジャの鬼気迫る熱演も相まって、ポン・ジュノ監督作の中で最もシリアスでヘビーな作品となった。
漢方屋を営む母。息子と二人暮らし。
息子トジュンは知恵遅れで、母の心配の種。心配し、溺愛している。
その日もトラブルが。高級車に轢かれそうになり、友人ジンテと後を追ってゴルフ場へ。取っ組み合いになるが、乗っていたのは町の有力者。車のサイドミラーも壊され、多額の弁償金を請求される。
バカ呼ばわりされ、激昂するトジュン。トジュンは“バカ”と呼ばれると怒り出すのだ。
実はサイドミラーはジンテが壊したもの。その罪を擦り付けられた。一応友人ではあるが、トジュンが知恵遅れをいい事に小バカにしたり手を出したりもする。そんなジンテを母は快く思っていない。
弁償金に母の心配の種、友人にはいいように利用されても、トジュンは何処吹く風。ゴルフ場で拾ったゴルフボールに呑気に自分の名前を書く。
これが“小事件”なら、本筋は“大事件”。トジュンが殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう…。
一人の女子高生アジョンの死体が発見された。高台で町を見渡すような不可解な格好で遺棄。
そのアジョンと最後に会っていたのが、トジュン。前夜トジュンはジンテと飲む約束をしていたが、ジンテは現れず。帰り道、アジョンと出くわし、声を掛けた所…。
状況、目撃証言、さらに現場近くから例のゴルフボールが見つかり、トジュンが容疑者とされたのだ。
勿論、母は無実だと信じるが…。
身内が殺人事件の容疑者に。その時、家族は…?
題材的にはあるっちゃあある。よくある展開としては、有罪か無罪か、苦悩。時には奔走。
本作の母は奔走。文字通りに。
幼い頃から面倒見ていた刑事に懇願するも、相手にされず。
若い刑事が“セパタクロー”で脅迫し、トジュンはでっち上げの供述書にサインしてしまう。この田舎町で久しくもしくは初めて起きた殺人事件を早急に解決しようと、“知恵遅れ”と“状況証拠”のトジュンは打ってつけ。
母は高額を支払ってまで有能弁護士を雇うも、バカなトジュンを見て手を引く。
警察も弁護士も当てにならない。母は自ら息子の無実を証明しようとする。
これが更なる悲劇や衝撃の始まり…。
まず疑いの目を向けたのは、ジンテ。以前も息子に罪を被せ、事件の日に飲みの約束に現れず、アリバイが無い。
ジンテの家に入り(お母さん、不法侵入です…)、物的証拠を探す。ジンテが帰ってきて、連れ込んだ恋人と“お楽しみ”する間一髪あるも、血の付いたゴルフクラブを見つけ、寝静まった所を見計らって逃げ出す。
警察にゴルフクラブを提出するも、血ではなく口紅。真犯人予想が外れたどころか、ジンテに脅され、多額の慰謝料を求められる。
そんなジンテから思わぬ事を聞く。殺されたアジョンの身の回りを調べてみろ。
アジョンは生活や金の為に男どもに身体を売っていた。
彼女の携帯に遺されていた写真から、トジュンも反応を示し、一人の男が浮上する。町の外れで廃品回収をする初老の男。
母は男の元に赴くが…。
殺人事件ミステリーの醍醐味もあると同時に、本作で描かれるのは、母の狂気的愛。
息子の無実を信じる…いや、信じている。それ故善悪の境界線も越えてしまう。盲目的に暴走し、犯罪スレスレの行為を。…いや、本当に。
そんな母の“狂愛”や悲哀、苦悩を、キム・ヘジャが凄まじく体現。圧倒される。
徴兵し、除隊後のウォンビンの復帰第一作。イケメンアイドルのイメージであったが、それを払拭する本作での熱演。一見、知恵遅れで子供のような無垢さ。が、時折見せるそれとは違う別の一面…。本作で最も戦慄させられる存在。
ジンテ役、チン・グも印象的。ヤな奴だが、母に協力もしたり。最初はトジュンをいいように利用していたが、実は…。
ポン・ジュノの作品に一貫する底辺層の姿を訴える一方、演出や脚本が監督作の中でも一級。
ジャンル的には“イヤミス”。人の心の闇、二面性、善悪をあぶり出しつつ、グイグイ引き込むエンタメ性。
脚本が本当によく練られている。序盤の何気ない描写やアイテムが、終盤になって非常に大きな伏線となる。僅かな点も見逃せない。なので本作は、一度より二度三度の鑑賞の方が旨味がある。
ポン・ジュノ最上級のミステリーを堪能あれ。
初老の男の証言は、母にとって信じたくない衝撃の真実であった。
アジョンを殺したのは、トジュン。トジュンは本当にアジョン殺しの犯人であったのだ。
あの夜、トジュンとアジョンは口論になり、アジョンがトジュンをバカ呼ばわりし、カッとなったトジュンがアジョンに石を投げ付け、殺害。男はそれを見ていた。
トジュンがすぐ逮捕されたので名乗り出なかったが、トジュンが証拠不十分で釈放されると知り、警察へ証言しようとする。
その時、母は…。男を鈍器で撲殺。何度も何度も、恐ろしいまでに。
我に返った母は男の家に火を放ち、男もろとも焼失させて隠滅。
この後、母は枯野を彷徨する。開幕シーン。
息子は犯人であった。そしてその息子の無実を信じたが為に、自らも罪を犯してしまった。
悲劇と最悪の顛末…。
魂が抜け、心ここに在らず。
鍼治療には悪い記憶を消し去るツボがある。この記憶を消し去りたいが如く、枯野を踊る…。
刑事からアジョン殺しの犯人が捕まったとの連絡が。
アジョンの元恋人だが、無論これは的外れ。
母は真犯人を知っている。何故なら、犯人は…。
母はその男と面会する。真実を打ち明けようとするが、出来ない。息子を愛するあまり…。
その男もまた知恵遅れであった。
心の奥に黒く重いものを感じ残したまま、また以前のような平穏な暮らしが…。
それを取り戻せないような、更なる衝撃の事実が。
トジュンは釈放。ジンテとその恋人が迎えに来て、家へ。帰る道すがら、あの廃品回収の男の焼失した家に立ち寄る。
母にとっては記憶から消し去りたい忌まわしい場所。そこでトジュンはある物を見つける。
家に帰ったトジュンは母にそれを渡す。それは、母の鍼治療の道具。
母があの時あそこに置き忘れたのだった。
トジュンにとって、何故母のものがここに?…じゃない。
まるでトジュンは察したようだ。ここで何かあり、母が何をしたのかを…。
衝撃の事実。それは…
トジュンは知恵遅れではなかったのだ。ずっと知恵遅れのフリをしていたのだ。
それを思わせる描写もある。
自分はやってないと、善悪の判断が付く。
バカ呼ばれると激昂するなど、言葉の意味を知り、反応を示す。
そして何より…、母はトジュンが幼い頃、一度殺そうとした事があった。生活に苦しみ、二人で心中しようとしたのだ。トジュンはそれを覚えていた。知恵遅れである筈なのに。そうではない紛れもない証拠。
劇中でも時折、トジュンの目や表情が鋭い時もあった。
では、何故知恵遅れのフリを…?
知恵遅れの方が容易く生きていける。実際、皆甘い。警察は釈放し、ジンテに利用されてると思いきや実はこちらが利用し、母は特に。
息子に騙され、踊らされていた。知ってしまった息子の暗部…。
もうかつてのような平穏な暮らしは無理だろう。
一つだけ方法がある。忘れ去る事。これら全てを。
母は自分の太ももに鍼を刺す。鍼治療で悪い記憶を消し去ろうと。
そう容易く人から悪い記憶が消え去る筈もない。
ならば、悪い記憶が消え去り、忘れたフリをする。
彷徨し、踊るように。
想定外のラストは面白いが、後味は悪い
途中まで、知的障害の青年が冤罪で捕まるシーンがある同監督の「殺人の記憶」を連想して、主人公の母親と同様、息子は無実だったと思っていた。「殺人の記憶」を見ていなくても、ほとんどの人がそう思っていたはず。ところが終盤になって、実際に息子がやっていたということが目撃者である廃品回収業の男の証言で分かる。この想定外の展開は面白かった。ただその男を殺すのはやりすぎで、後味の悪い映画になってしまった。さらにその後に、無実の真犯人が捕まるに至っては、一層後味が悪くなってしまった。真犯人が捕まったと聞いた時、最初はもしかしたら、その真犯人が本当にやっていて、廃品回収業の男は見間違ったのかなと思った。だとしたら、母が彼を殺したのは無意味だったことになる。そういう展開も面白いかなと思った。その時点で、自分の娘を殺したと勘違いして、幼なじみを殺してしまう「ミスティック・リバー」を思い出した。しかし結局は、真犯人は無実で、(鼻血の)血だけで犯人とされた冤罪だったんだよね。
うーわー。その最後は望んでないの。
ウォンビン復帰一作目なんですね。
こんな役者だったっけ?
確か、キモタコ(木村拓也)に似てるぅ~位の認識でしたが、いい意味で裏切ってくれました。100倍良いです。
白痴美という言葉を思い出しました。無垢?であることの残酷さとか、純粋?ゆえの恐ろしさ…。うまーくヤってました。
そしてキム・ヘジャ母さんの無償の愛の狂気
といったらもうっ!て感じ。
たまにプッと吹き出しちゃう演出もにくいわー。
ラスト真実が明かされていく所は、まるでページを一枚づつめくっていくかのようで…。
でも映画だから止めることが出来ない…。
そんな真実止めてぇぇぇって…。
俯瞰で観てるはずだったのに、まんまと母親に感情移入させられてました(笑)。
そりゃぁ踊っちゃうしかないよね。
うまいわーポン・ジュノ(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
母なる証明
韓国映画らしく、展開がどんどん進んでいく。
母親にとっては最悪の展開だったに違いない。息子は殺人犯ではないと信じていたのに、本当に殺人犯で、なおかつ自分も殺人犯に。本当に息子が殺人犯なのならば、罪を償ってほしいと思っていたはず。
事件解決⭐︎なのにスッキリしない…
タイトル通りな感じ。大好きだ。
主人公に共感しかけて一緒に裏切られて考えさせられる。
嘘でしょ息子〜
嫌な予感したけどやな〜
って感じだったんだろうな母…リアルに。
息子が可愛くて可愛くて仕方ない様子のシーンが頭から離れない。
仕事場から息子を見つめるシーンや、立ちションのシーン、食卓のシーンに一緒に寝るシーン。
側から見ると気持ち悪いとおもうが、母息子ってそんな感じではないか?とふと自分の弟と母を重ねてしまうくらいリアルすぎて気持ち悪い気持ちになった。でもこれが現実だ。
あとあの街が気持ち悪すぎる。
警官も主人公の友達もヤッてない?
全員信じられない。
みんな自分のために犯人を見つけようとしてるし、死んでくれてよかったと思っていそうな感じだった。
結局それを全身で感じて1人罪を背負っていくお母さん…。
数年後にまた息子は思い出して母親に、
「どうしてあそこに母さんの仕事道具があったの?」とでも聞きかねないな。
みんなそれでも聞かないフリをするんじゃないかな、事件はとりあえず解決させたから…。
そんなツボがあるなら…
押してしまいたい。ラスト、キム・へジャは何を思ったのだろう。。全てを忘れたい、けど最愛の息子を守るため、生きなければならない、その一心だったろう。ポン・ジュノ監督のどんでん返しの後の更なるどんでん返し。ウォン・ビン演じる知的障害の息子の無実を信じていたものの、目撃者から殺人犯だったと知る衝撃。これには裏切られたが、目撃者を殺してしまった後、真犯人が出てくる。しかも息子と同じ知的障害を持つ。親もいないため、この子には自分が、そうしたように無実を信じて、奔走してくれる人もいない。この子の無実を知りながらも、息子のために罪をなすりつけるしかない。この重たい真実と共に生きてはいけない。忘れたい。そんな母親をキム・へジャが好演。韓国映画の警察はなぜ無能で、建物は陰気臭いのか。ウォン・ビンももう少し見たかった。
太もものツボは、踊ってしまうツボだったのか!?
忘れてしまいたいこと。誰だってあるよね。
鍼灸師兼漢方薬店を営む母。貧しくても近所の評判もいいし、知的障害を持ったイケメン息子トジュンを溺愛する母。ベッドの上で一緒に寝る姿は微笑ましくもあり、何か怪しげな雰囲気もある。そんな息子にも親友がいて、ひき逃げベンツを一緒に追いかけサイドミラーも壊しちゃう。警察に行ったことまでスナック“マンハッタン”で自慢しちゃうのです。
そのマンハッタンからの帰りに酔っ払ったトジュンは一人の女子高生の後をつけるが、大きな石を投げつけられて退散・・・次の朝、廃屋の屋上で女子高生アジョンが殺害されていて、目撃者の証言によりトジュンが逮捕されてしまう。虫も殺せない子なのに!と、母はトジュンの無実を信じ、独自で調査を始める・・・といった展開。
前半では冤罪で拘束された息子を助ける内容だとばかり思っていたが、ポン・ジュノがそんな単純な展開にするはずもなかった。不妊治療の写真屋の奥さんもターニングポイントだったし、傷のある女子高生やアジョンを買春しようとする男子高生など、ミスリードする重要人物も多い。そして、トジュンの記憶障害も過去のことから徐々に思い出すというやっかいなもの。こめかみをグリグリすればいいのか!やってみよ。
貧富の差なんてのも最初から見せつけてくれるし、有能(悪徳)弁護士の精神科医や検事を抱き込むという手際が良すぎることも驚きの一つ。さらに、犯罪を追い詰めていくと貧困世帯に集中してしまうところも凄い。やりすぎ。廃品回収のじいさんなんて悲惨なものだ・・・。だけど、この小屋での出来事で、母の心の動きが極端すぎるところもやりすぎ感たっぷり。結局、“母なる証明”てのが殺人者のDNAだったんだとわかると、開いた口が塞がらない。「5歳の時、僕を農薬で殺そうとしたよね」というドジュンの記憶も全てを語っていたのですね。
障害者の点では、最後に名乗り出てきたジュンパルがドジュンよりもさらに重くのしかかる。明らかにダウン症の子なのに、アジョンは自分の恋人だと言い張るジュンパル。「泣くなよ」などと言い放つところはカッコよかったけど、彼もまた精神鑑定を受けて罪が軽くなるんだろうなぁ。
タイトルなし(ネタバレ)
母の愛は
子供を殺そうとする事もあれば
子供を守るために他人を殺したり陥れることも厭わないという強いメッセージの作品
最後に捕まった子はトジュンと似たような少し障害のある子だけど守ってくれる母親がいず、不憫で泣き崩れた母。あのシーンがある事でよりこの作品の意味が際立った。
その他感じた事
① ウォンビンかっこよい
② 韓国の貧困家庭のすさまじさ
③ 韓国の警察のいい加減さ
信じたい母、無垢な心の息子
優しい顔立ちの母親が罪を重ねていく姿が辛かった。
母親が追う犯人像が二転三転し、こちらも母親と同じ
目線でスクリーンを追う事になり、ポン・ジュノ監督の手腕の巧みさを感じました。
無邪気さ故の事故的な犯罪だったとは・・・。
その映像をスクリーンで見た時には、まさかそんな、
そうであって欲しくない、という感情に。
映像の見せ方に改めて才能を感じました。
罪を背負って二人は生きて行くのでしょうか。そして、彼の無邪気さが母親を苦しめ続けるのでしょうか。
母として、人としての生き様…
原題『母』、邦題『母なる証明』
予告「この子を守るのは私しかいない」
大方の母の共通の想い。(『誰も知らない』の母のようなものもいるが…)
「バカにされても、仕返ししないで、無視するんだよ」と日本では教える。
「バカと言う方がバカなんだから。仕返ししたらお前も同じレベルのバカになっちゃうよ」
「お手伝いとか、他のことで見返しなさい」って。
社会で生きていくために、何をしてはいけないのか。社会のルール、人としてのルール。暴力で解決できるものなんてあってはいけないことだろうに。
国民性の違いなのか?
この母ならではなのか?
確かに、子どもを馬鹿にされると、母としては身が切られるようにつらい。悔しい。
ましてや障害があれば、その思いは激増する。アルコールや薬物の害を除いて、基本、子に障害があるのは母のせいではないのだが、ほぼ100%の母が、大なり小なり、自分のせいと攻めてしまう。
ましてや、利用して食い物にしようとする輩が、子どもの側にいたら、過敏になるのも必然。
けれど…。
映画としては出色のでき。後世に残るものになるだろう。
だけど、鑑賞するには覚悟がいる。
寡聞にて、これほど人間の業と言うものを描き切った作品を知らない。自分の中の暗部をさらけ出されたようだ。
私がこの母の立場だったらどうするのだろう? 人としての善を貫けるとは決して言いきれない。言い切る人の方が嘘くさく感じる。
こういう犯人達は『リンカーン弁護士』にも出てきた。『リンカーン弁護士』では、異常者として突き放して鑑賞できたけど、この映画ではなぜか突き放せない。
まだ見ていないが『許された子どもたち』も観てあわせて考えたい。
けれど、そもそも犯人は己がやったことを自覚・認識しているのか。それが”人殺し”だと…。
気軽に観てはいけない。
気軽に勧められない。
でも、後世に残したい傑作を挙げろと言われたら、候補にあげたくなる。
鑑賞した人と語り合いたくなる。
究極の映画。
嫌なことを忘れるツボなんてあるの?
頼りにならない警察、弁護士に代わり、息子の無実を証明するために奔走する。その姿に母から息子への無償の愛を感じ胸を打たれた。
しかし、殺害現場にいた男の話から一気に流れが変わる。
印象的なのはやはり嫌なことを忘れるツボ。
息子が結局犯人だったこと、人を殺害してしまったこと、別の人間が犯人になってしまったこと、火災現場から発見された針箱から、息子に男を殺害したことを気づかれたのではないかという猜疑心。これらを抱え続けることに限界を感じ、ラスト自身に針を打ったのだろう。
ただ、このツボに効果は本当にあったのかは怪しい🤔
OP、EDで見せた踊りこそ嫌なことを忘れる手段なのかなと思った。
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