「何ということを!人間の悪に愕然とする」カティンの森 ezuさんの映画レビュー(感想・評価)
何ということを!人間の悪に愕然とする
国境を侵しただけでは済まない悪意は、侵略した国の頭脳を葬ろうと、数万のポーランド人を虐殺した。
ヨーロッパではアウシュビッツで、アフリカではウガンダ。カンボジアのポルポト。そして南京大虐殺。近年ではボスニア内戦時の民族浄化、その他空爆を含めると原爆等、多くの大量虐殺があったが、ポーランド将校らの悲劇「カティンの森」もその一つ。
戦後共産化したポーランドで「ドイツがやった」「ソ連がやった」となすりつけ合う国のエゴとプロパガンダに国民はどう生きればよかったのか、体の表面から泡が吹き出し息の詰まる思いだ。
登場人物の頬がひきつり、見ている我々の顔もひきつる。ラストの重く衝撃的なシーンもさることながら、軍の思いどうりにしないと、墓石まで破壊する理不尽さには思わず声が出てしまった。
旧日本軍には飛行場を作るにも人海戦術だったと聞く。カティンのソ連軍にはでっかいブルドーザーがあったんだ。
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