「デパ地下の惣菜は無難な美味しさ」サマーウォーズ マージョさんの映画レビュー(感想・評価)
デパ地下の惣菜は無難な美味しさ
男子人気は高いが女友達はゼロであろう自己チュー美少女に体よく利用される、内気な男子。冒頭はラブコメアニメの王道。
田舎に家族集合、昔懐かしいにっぽんの夏の風景。そういえば去年の夏『歩いても歩いても』がヒットしたっけ。
元いじめられっ子、仮想世界で意外な才能を発揮。『ネバーエンディグストーリー』を思い出す。
一般家庭が力をあわせ、世界を滅ぼしかねない巨大な敵に立ち向かう。ほほう『マトリックス』と『グエムル』のコンボできましたか…っておいおい。
どこかで知ってるよな設定のオンパレード。悪くはない。でも、いわば既出の要素を切り貼りしたコラージュだ。完全オリジナルと銘打たれても。
設定を糊付けする展開に妙があれば、それもオリジナリティだが、これまたご都合主義にすぎる。危険な人工知能に立ち向かう一家は武家の末裔。政財界に顔がきくおばあちゃんをはじめ各自、格闘ゲームやコンピュータ、国防に通じるスペックを持ち、そこに数学に強い主人公が助っ人…ほんとたまたま、偶然がたくさん重なってよかったね。
観れども観れども、どこかで知ってる&たまたまが続く。映像は美しく、テンポも良いので面白いことは面白い。料金のもとはとれるけれど。
パーティに招かれたら、デパ地下で買った惣菜を次々供された…ような気分に。料理は無難に美味しく、こなれた会話と綺麗なテーブルセッティングも楽しめた。なのになんだか心から「最高でした」とは言いにくいのである。
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