「年末クリーニング。」サンシャイン・クリーニング ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
年末クリーニング。
名画座にて。
ずーっと期待して待っていたので、それなりの充実感(^^)v
相変らず社会の底…まではいかないけど側辺にいるような
一家が主人公の作品。
高校時代はチアリーダーの花形で、アメフト選手の彼氏も
いたのに、現在はシングルマザーでその彼とは不倫の身。
いわゆる負け組?といわれる位置にいる姉と、その外見と
うらはらに、亡き母のトラウマを引き摺りつつ繊細すぎる妹。
姉の息子は学校で教師の足を舐め(爆)問題生徒だと認定。
彼女らの父も一攫千金を夢見ては破れてばかりの苦労人。
…前作も問題だらけの一家だったが^^;今回もまたスゴい。
そんな姉妹が何を始めるのかと思えば、事件現場の清掃。
単に高収入という謳い文句に誘われて安易に始めたのだが、
やってみたら結構うまくいってしまう。私達って才能あり?と
どんどん仕事を受ける姉に道具屋の優しい男友達もできて、
妹の方もふとしたことから同じ傷みを抱えているかもしれない
女友達ができる。これで高校時代の同級生を見返せるかも!
と期待を膨らませる姉だったのだが…。
えー、そんなうまくはいかないのが世の中というものです。
この一家の盲点は、常に安易な行動をとってしまうという
遺伝性のものなのか…。もう少し時期を待って軌道に乗って
から行動を起こせばいいものを、わりと思いつきで動く所が。
A・アダムスの可愛い顔面が根性を張り巡らせるのが面白く、
それだけ不安定でいて、まったくどん底感なる暗さがない。
こういうケロリとした性格は、人生ではプラスに働いてほしい。
そこへいくとマイナス面ばかりが表に出てしまう妹、
あんな風貌でも実は心根が優しい、そんな一面にグッときた。
E・ブラントの奥深い演技に脱帽。ただ、ラストは勿体ない…。
この物語はどこにも終わりがなく、さらに登場人物のその後
を見てもかなり中途半端に終わっている箇所が少なくない^^;
人生は続く…だからこの一家の苦労もまだ続く…ということか。
決して投げやりではないのに、なにをやってもうまくいかない
(と、自分で思っているような)
そんな人々にエールを送る作品ではあるが、傍からみれば
さもありなん。自業自得。というお手本にもなっている作品だ。
…あ!大掃除せねば^^;
(ふと思ったけど、次回作にもサンシャイン、ってつくのかな?)