「レスラーよ!戦え!」レスラー SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)
レスラーよ!戦え!
本編を観る前は昨年のアカデミー賞・主演男優賞は「フロスト×ニクソン」のフランク ランジェラに行くべきだったと思いました。しかし、今作の本編終了後完全に考えが変わりました。もう何と言うか彼が本編で演じているプロレスラーの魂が彼にそのまま乗り移ったようでした。この役はきっと彼のような俳優人生を送ってきた人でないと演じる事が出来ない。そんな役だったのではないかと思います。
主人公は引退直前の中年レスラー・ランディ。
彼はある小さなプロレス団体に所属していたのですが、ある事件がきっかけで別な職を探さなければならない状況へと追い込まれてしまいます。同時に本編では彼と一人の女性ストリッパーとの恋愛模様や離れて暮らす娘との関係にも話にも触れています。
注目はミッキー ロークを初めとする俳優陣の演技とリアルな作品の世界観そして、ストーリー展開です。ミッキー ロークの演技については冒頭で述べましたのであまり言いませんが、とにかく凄いです。体作りから台詞回しまで完璧でした。特に娘に自分の思いを伝えるシーンがあるのですがあれには本当グッときました。もちろん脚本がいいと言われればそれまでですが、ミッキー ロークが言うからこそあれだけの説得力があるのではないでしょうか?正直、最初はあまりランディというキャラクターは好きではありませんでしたが、最後の方はもういつの間にか応援していました。それから、ストリッパー役のメリッサ トメイの限界を超えた演技も見所で、なぜ彼女がストリッパーという職業を選ばなければいけなかったのかがポイントです。あっ、もちろん彼女が実際に脱ぐシーンもあります。しかもそれが妙にリアルで余程研究してあそこまでの完成度に仕上げたんだと思います。本当に驚きました。そして、ランディの娘役のエヴァン レイチェル ウッドは「サーティーン」の時のキャラとあまり変わっていませんが、なかなか良い味を出していました。
それから、リアルな作品の世界観はお見事でした。さすが、「レクイエム フォー ドリーム」を作った監督だけあって彼のリアリティーへのこだわりを感じました。プロレスの試合運びはもちろん、誰もが知りたいような裏幕もしっかりと描かれているのが好きでした。インディーズ系作品の匂いがプンプンするような雰囲気の中であれだけのリアル感はさすがです。そして、ストーリー展開もお見事!特に娘との関係が意外な結末を迎える辺りが好きでした。
しかし、残念ながらこの作品には1つだけ大きな弱点がありました。詳しく言うとネタバレになるのであまり言いませんが、単純に言うと“そんなに簡単に復帰できるの?”という事です。それ以上は言えません。
しかし、多くの男性陣には共感できる物語になっていると思います。
是非、観てみてください。
SAOSHIーTONYさん、すばらしい、コメントです。
全くの同感で思わずカキコミしてしまいました。
遅ればせながら私もやっと観たのですが
流石ミッキー・ローク。
すごい役者ですよね。
これからもがんばって欲しいです、