「革命世代」バーダー・マインホフ 理想の果てに kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
革命世代
1967年6月、西ベルリン。イランの王妃に公開状を送ったウルリケ・マインホフ(グデック)。贅沢三昧の王家に対する皮肉をいっぱい込めて書いた彼女はジャーナリストだったが、やがて学生運動の中心人物の一人アンドレアス・バーダー(ブライブトロイ)と同調してゆく。バーダーは恋人のグドルン・エンスリン(ヴォカレク)と共にベトナム戦争に抗議してデパートに放火して逮捕されるが、控訴確定まで釈放。イタリアに潜んでいたが、バーダーが捕まる。彼らはウルリケと組んでバーダーを救出。銀行強盗・爆破事件などを繰り返し、テロ活動を続ける・・・と言っても彼らは民間人を巻き込むことを諌めているし、主要メンバーが逮捕されてからが過激となってゆくのだ。いつのまにかドイツ赤軍・RAFと改名。
警察側の描写も面白く、リーダー格のホルスト・ヘロルド(ブルーノ・ガンツ)が「テロには屈しない」という一点張りではなく、彼ら過激派の動機を知らなくてはならないと主張するのだ。警察は戦うだけだが、政治家こそが原因を探り彼らが暴発しないような世の中にしなければならない。劇中、後年のバーダーと共にもっとも共感できる人物だったかもしれない。
なぜこの時期にきて日本では『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』、アメリカでも『チェ・28歳の革命』2部作という革命ブームとなったんだろ。9.11に触発され、どうしてテロリストが生まれたのかを詳しく説明してくれてるし、好きなんだけど、革命に燃えていた世代は老人になってるだろうし・・・。やはり今の若者へのメッセージなんでしょうな。
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