沈まぬ太陽のレビュー・感想・評価
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アフリカの地平線。
202分という長い映画ですが、ちっとも退屈もしないし、ダレたりもしませんでした。
インターミッションという休憩の頃合いもよく、新鮮で、ホッと息をつく時間を持てました。
この合間にバイオリン演奏曲が「祈り」が流れるのですが、このバイオリン奏者「ダイアナ湯川」さんは、お父様を御巣鷹山で亡くされているそうです。
渡辺謙さん、三浦友和さんはじめ、宇津井健さん、加藤剛さん、石坂浩二さん、草笛光子さん、鈴木京香さんら、豪華な俳優さん達が集まった作品は、見応えがありました。
あっ!こんなところにあの方が、えっ?!あれは確かあの人よね~、とたくさんの俳優さんを見つけるのも楽しかったです。
渡辺謙さん演じる恩地元は勇者で、三浦友和さん演じる行天四郎は悪者なんでしょうけれど。
友を裏切り、出世街道まっしぐらの行天。
自分の信念を貫き通すがために、冷遇される恩地。
人間生きていくために、自分の思いを通すのが、どんなにツライことか・・・家族に辛い思いをさせ、もちろん自分もとっても辛くて・・・
行天を責めることは簡単だけど、そうならざるを得ない社会や会社の仕組み。
ドロドロした人間関係に、政治とお金が絡む。
ツライ思いをさせた長男が成長し、父のことをわかってくれる、それが素晴らしい。
アフリカの地平線は、素晴らしい。
余計なことを考えぬよう、自然は悠々と広がり、人間の小ささを教えてくれる。
「世界で最も危険な動物」にならぬよう、心がけたいものです。
太陽は輝き続ける!
理不尽な目に遭いながらも,
逃げずに今を刻む不屈の男,
恩地元を,渡辺謙がみごとな存在感で魅せる。
事故の遺族と触れ合って,
働く責任に気付いた彼の手紙と,
燃える夕陽のラストシーンが美しくて格好良い。
けれども,起伏に乏しいドラマが平板で,
泣かせの場面があざといし,
映画的なスケール感にも欠け,
重厚な社会派にはなっておらず残念。
とはいえ,抜群の時代性を取り込んだ本作の求心力は大きく,
3時間超えでも,長さは感じなかった。
そして,恩地元の真摯な姿勢は,
理想のリーダー像として強く印象に残ったのは事実。
命の大切さ
とにかく是非見てほしい。
安全より上回るものなど無い。
会社にとっては1人のお客さんかもしれないが、
遺族にとってはたった1人のお父さん、お母さんであり
子供であり、
かけがえの無い家族である。
特にJR西日本の幹部の皆さんは見るべきだ❕
これは、小説だからねぇ。
山崎豊子の、とある航空会社の腐敗を描いた長編小説。小説なので、この国民航空は<b>【一応】</b>実在しない架空の航空会社と言う設定ですが、モデルとなったのは日本航空と言うのは一目瞭然です。
また同時に、小説の登場人物も実在の人物を髣髴させところが多々あります。しかも、その描写は物事を一面からしか見ていない描き方で、非常に誤解を耐える描き方であるという事で、原作の出版時に日本航空側から山崎側に「事実無根」あるいは「事実錯誤」として、様々な抗議があったといわれています。それが為に、この小説は、未だに日本航空では一種の禁書であるとか・・・。
今回の映画化に際しても、その原作の内容が影響を与えています。その一つとして、日本航空側から製作側に抗議が為されたと言われており、それが当初予定よりも公開までに時間が掛かった一因です。製作者に、最近の映画では必ず名前が入る放送局が入っていないのも、その抗議が遠因です。それにしても、日本航空が経営に陥った今、この作品が映画化・公開されるのは、何かの皮肉なんですかね?
前置きが長くなりました。主人公恩地は、実在の人物小倉寛太郎氏がモデルの一人となっています。小倉氏は、長期間に亘る海外僻地勤務を強いられ、日航123便墜落事故の後には会長室の部長に、そして会長が失脚した後は再びアフリカへと、映画に描かれたような経歴を繰り返します。あれは、映画の中の話では無いんですね。そしてそんな恩地を演じたのは、渡辺謙。やっぱり彼は、骨の有る男を演じるのが上手いですね。実際の小倉氏を見たことは無いんですが、こんな筋を通す男だったんですかね。熱いです。
その恩地の同期で、後に袂を分かち、様々な策謀を画策する行天を演じるのは三浦友和。いやぁ、彼のダークな面を持つ演技も良いです。彼本人を嫌いになってしまいそうでした(苦笑)。ちなみにこの行天にはモデルとした特定の実在人物はいないとされています。あんな人がいたら嫌ですよね。
国民航空再建の為に送り込まれてくる国見会長のモデルは、カネボウの伊藤淳二氏です。この小説では、企業再建の為に送り込まれてくる改革家と言うイメージですが、その後のカネボウ解体の伏線となったのは、伊藤氏の頃。伊藤氏に、本当に日本航空改革の力があったのは未知数とも言えます。それはさておき、国見会長と恩地が、羽田空港で新年一番機を見送るシーンがあるんですが、これを撮影したのは、気温40℃のタイの空港。画面では、寒い冬にちゃんと見えていますけどね。そんな暑い中なのに、シレッとした表情で冬を演じているのは流石です。
前述のような経緯があるので、撮影に際しては、当然日本航空の協力は得られていません。よって航空機のシーンは全てCGとなっているんですが、突っ込みどころ満載です。あまり本質ではないので、特に記しませんが、「そりゃ無いぜ~。」と言う感じです。
他方、圧倒された映像もあります。遺体安置所となる体育館に並んだ123便事故で犠牲となった人々の棺の映像です。事故現場の再現では「クライマーズハイ」の方が一枚も二枚も上ですが、体育館に並んだ数多くの棺の映像は、実際のあの事故の記憶が明確にあるだけに圧倒されました。上映中の会場も、針が落ちても聞こえるくらいの感じの静けさでした。他の観客も、思い出していたんでしょうね。
それにしても、よくもあの小説を映画化しました。途中、10分のインターミッションを挟むという非常に長い作品になってしまいましたが、あれ以上短くするのは無理でしょうね。あの3時間を越える長さでも、映像にされていないシーンは沢山ありますからね。
何とも治まりの付かない気持ちのまま、終わってしまいます。最後にハッピーエンドなどを求めてはいけません。原作の内容に関しては、色々と曰くがある作品ですが、一見の価値はあります。
演じ手の思いが心を揺さぶる!
今日から全国公開の話題の映画
『沈まぬ太陽』!観てきました!
場所はメイン上映館のTOHOスカラ座@日比谷!
しかも公開初日の朝一番!初回上映!!
終了後には監督&出演者の舞台挨拶つき!
いやぁ~感動しました!!
本編もさることながら
なんといっても主演の渡辺謙さん!
ハリウッド次回作の撮影も始まってて多忙な中、
本作の完成後にまだスクリーンで観てなかったとのことで
なんと僕らと同じ客席で観ていたんだとか。
これには客席もびっくり!
上映終了後にスポットライトが当たって
座席から立ち上がると、すでにその目を真っ赤にしています。
少し間をおいて壇上に上がる出演陣。
渡辺謙さんに続いて三浦友和さん、松雪泰子さん、
鈴木京香さん、石坂浩二さん、そして若松監督。
壇上に上がると謙さんは石坂さんとガッチリ握手!
バックステージでは監督と抱き合っていたそうです。
舞台挨拶が始まると
自身のコメントの途中では涙で声を詰まらせ、
とうとう男泣きに泣いてしまう謙さん。
会場中がじーんと来てました。
もらい泣き続出!
さすがです!カッコいいです!惚れちゃいます!!
国民的作家と言われる原作者の山崎豊子さんは
この秋、フジテレビ開局50周年ドラマで話題の『不毛地帯』や
『白い巨塔』、『華麗なる一族』など、繰り返し映像化されてきた
骨太の社会派作品を世に送り続けてきた方。
過去にこれらの作品に関わることもあった渡辺謙さんは
この『沈まぬ太陽』の主人公を“最も演じたい役”として上げ、
原作者に手紙を送っていたそうです。
過去に何人もの映画人たちが映画化を望みながら、
映像化不可能とされて長く実現できなかったという
映画人としても本当にやりたかった仕事。
まして発表当時から物議をかもしていたこの作品。
扱う題材は企業や政治の闇と、あの日航ジャンボ機事故…。
多くの遺族、関係者も関わることで
生半可な覚悟じゃ扱えない題材です。
フィクションという形を取ってはいますが
限りなく実話に基づいた切り口で、
虚実交えて深く切り込む内容。
渡辺謙さんも、撮影中やここまで来る間の苦労、
過去の映画人の思い、そして何よりあの事故の関係者の方々の思い。
そんな複雑な思いから涙が出たんだと言っていました。
そしてまさに日本航空の経営危機という今。
タイムリーにこのタイミングでの公開となった事実には
運命的なものすら感じてしまいます…。
運命的といえば…
この作品は3時間22分と長編になっているため
間に10分間のインターバルが挟まれます。
その10分の休憩タイムに流れていたクラシックのBGM。
これもまたある意味で運命的でした…
出演者の舞台挨拶終了後、
壇上に登場した一人のバイオリニスト。
イギリスで活躍中という、例のBGMを担当したこの方。
お父様をあの飛行機事故で亡くされたご遺族だそうです。
あの事故から1ヵ月後の1985年9月生まれ…。
そう。お父さんの顔を知らないんです。
本作の映画化を知り、どうしても参加したいと
プロデューサーに手紙を送ったという彼女。
渡辺謙さんからこの紹介を受けて登場し、
犠牲者の方々を思って作ったというあの曲(BGM)を
生で演奏する姿に、会場中が心を打たれました。
高度経済成長期の社会や企業の中で
不条理に翻弄されながらも
“どう生きるか”
を描いた重厚な作品。
政治も経済も地球環境も世界情勢も
世の中のあらゆる状況が混沌とするこの時代にこそ
観る意味のある作品と言えるのかも知れません。
まずは拍手を
舞台挨拶で、渡辺謙さんが大泣きしたという。
うん、そうだよな。
まずは、この映画を完成させ、公開までに持っていったことに拍手を
送るべきなんでしょう。
映画としては、実に微妙なものがあった。
まず、冒頭の旅客機墜落のパート。
それぞれの家族の愛情と別れのシーンには、身につまされるものが
あって、涙が出た。
でも、会社と個人の葛藤や、日本の権力構造と企業の癒着と
いったところは、どうもピンとこなかった。
それは原作5冊分を、この1作に盛り込もうとしたためなのだろうか。
それに、主人公の家族の描き方もちょっとステロタイプのような気がした。
それでも、休憩を挟んで3時間以上の大作というのは
実に久しぶりのことではないか、と思う。
これを完成させた関係者の”熱さ”には、(ちょっと暑苦しい感じもあったが)
拍手を送っていいのではないかと思います。
長さを感じません
原作5巻?分をモーラしてるかはわからないけど、いろんな角度(目線)で見れる作品だと思う。
娘の立場から見ると、この映画の主人公同様、状況は違えど、お父さんって本当がんばってるんだなぁって感謝をせずにはいられなくなる。
国民の立場から見ると、フィクションと言えども、憤りを感じる。
子供の頃、海外に行くのに初めて、JALの飛行機に乗った時、千歳飴とか、飛行機のオモチャを貰ったのを思い出す。墜落事故があった後でも、親の世代は、まだJALが好きみたいだね・・。
今、JAL危ないし、これからどうなるかはわからないけど、今の時期にぴったりな作品だと思いました。
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