「でもなぁ、波に乗っている奴らの方が辛いかもしれん」沈まぬ太陽 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
でもなぁ、波に乗っている奴らの方が辛いかもしれん
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映画「沈まぬ太陽」(若松節朗監督)から。
会社の労働組合委員長で頑張りすぎたために、
左遷されたり、冷遇されている父親に向けて、息子が呟く。
「父さんは、波に逆らってばかりいるから・・」
しかし「諦め」とは違う感覚で、ぼそっと父親が語る。
「でもなぁ、波に乗っている奴らの方が辛いかもしれん。
波から落っこちないように、必死でしがみついて」
この台詞は、胸に響いた。
どちらが、正しいとか、間違っている、そんな話ではない。
辛さの質が違うだけで、どちらも「辛い」というわけだ。
だからって「辛い」のを避け、どちらにも与しない方が、
私には、つまらないと思う。
波が近くまできていたら、逆らってぶつかってみるか、
思い切って乗ってみるか、どちらかに挑戦して欲しい。
いつまでたっても、自分に都合のいい波なんて来やしない。
陸(砂浜)で、波を眺めているだけでは、
本当に意味の「波の楽しさ、波の怖さ」を味わえないから。
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