「鷲がハゲてもシリーズ化して。」ハゲタカ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
鷲がハゲてもシリーズ化して。
NHKのテレビドラマを観ていた人なら、すんなりと入れる。
ほとんどその続きをスクリーンで観ているような作品だった。
なので…初めて観る人には、やや説明不足なのが難点。
鷲津を中心とするキャラクターが(なぜそうなったのかも)
今ひとつ分からない始まり方をするし、その他の登場人物も
誰が鷲津とどういう繋がりなのか(後半でやや解説が入るが)
まぁでもテーマはマネーゲームですから。と言わんばかりに
けっこう強引に話は進んでいってしまう。
ただしかし、リーマンショック以後に書き直されたという
脚本のそこに広がる世界は今の実社会とリンクするので、
この経済不況。をこれでもかと映画で思い知ることができる。
あってもなくても、悲劇を生むのが「金」とは確かに怖い…。
いやしかし~。
劇場のスクリーンで恭兵を観たのが久々な気がするせいか、
このヒト本当に若いなー!と絶賛したくなった。
南朋や龍平や玉鉄と並んでいても、ダントツカッコいい!
でもって男のロマンなど語るもんだから、なお素晴らしい。
遠憲のいう合理主義に賛同しなければ、の時代もあったが、
無駄を切り捨てることばかりに力を注いだ結果が、今の日本。
ドラマでも、町工場や老舗旅館が廃業に追い込まれる様子が
描かれていたが、生真面目にコツコツと働いてきた人間達が
真っ先に辛酸を舐め潰されることには、ムカついてしまう。
とはいえ、そうなった経緯には常に理由が存在するわけで、
南朋が演じる鷲津のような「ハゲタカ」が、買い叩いて企業を
再生させていかなければ、まだまだ潰されてしまうというのに、
まるで分かっていない(見かけ)トップ企業がたくさんあるのだ。
日本人って、頭がいいのか悪いのか、ただ頑固なだけなのか、
今回の中国(これまたタイムリーな)チームの「赤いハゲタカ」に
まんまと持っていかれそうになってしまうのだから本当に怖い。
もちろん金融の世界に縁はないし(汗)知らないことばかりだが、
こうして傍観する立場にいると、コチラ側のバカさ加減が際立つ。
まさか騙されるわけないじゃん。とタカをくくる「オレオレ詐欺」に
ちょっと通じるところがあるんじゃない?などと思えてしまった。
切羽詰まると人間は、冷静な判断が出来なくなってしまうので。
まぁ、、常に冷静沈着な、鷲津みたいな男も…怖いけど^^;
今回の配役では、ゲスト出演?玉鉄の演技が素晴らしかった。
あんな最後は…とは思ったが、彼からも何かを学ばなければ。
お金は本当に大切なものだから。
(用語の説明を活舌よく加えるのも、天下のNHK。って感じ^^;)