劇場公開日 2009年3月27日

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「ごく普通の幸せ」マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ごく普通の幸せ

2009年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

自ブログより抜粋で。
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 サブタイトルや予告編のイメージから、バカ犬・マーリーに振り回されるドタバタ・コメディを予想していたんだが、実際はちょっと違っていた。
 しかし、犬好きの人なら大いに共感できるであろうエピソードがいっぱい詰まっていて、そういう意味では期待を裏切らない。

(中略)

 この映画の中で描かれるのは、一見幸せそうなカップルがそれぞれに悩みを抱えながらも苦楽を分かち合い、ごく普通の幸せを紡いでいく、まさに人生そのものの機微。
 映画の中のジョンとジェニーは、その生活スタイルから日本の大多数の庶民の感覚よりは少しばかり裕福そうに見えるのだが、新婚生活や仕事の選択、子育てなどにまつわる悩みは万国共通なようで、最初に受けた印象よりずっと身近に感じられた。
 人生いろいろ大変なことや思い通りにいかないこともあるけれど、それでも家族でいるって幸せなことじゃない?そんな優しい気持ちにさせてくれる映画だ。

 ただ、ラストのマーリーに対する選択だけは日本人には共感しづらいかもしれない。これが日本映画だったらまずこういう結末にしないだろう。
 映画的にはこんな辛口な終わり方もありかとは思うんだけど、いざ自分がその立場だったらなかなかこういう選択はできない気がする。
 そこも含めて楽しいことだけじゃない人生の苦みとして共感するなら、この映画はきっとまたとない珠玉の作品となるだろう。
 そんな懐の深さも持ち合わせたハートフル・コメディの良作。

かみぃ