「まさに“お祭り映画”全開!!」アベンジャーズ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
まさに“お祭り映画”全開!!
以前からマーベルの各ヒーロー映画で少しずつ正体を現してきた国際平和維持組織シールドが表立った活躍を見せる初めての作品。
そしてなんといっても「アイアンマン」や「キャプテン・アメリカ」「マイティ・ソー」「ハルク」といったスーパー・ヒーローが一つの作品に結集するという期待作だ。
世界破滅危機のなか、ナルシストで自信家のアイアンマンことトニー・スタークや、世界を守ることに闘志を燃やすキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースらの意思はバラバラでチームとしてなかなか機能しない。
この即席のチームが史上最強のチーム「アベンジャーズ」になるまでというのが大筋だ。
今作では、チームがなかなか一本にならないところを利用して2つのサービスをしてくれる。実は、そこが今回の大きな見どころなのだ。
ひとつは、それぞれのヒーローの持ち味を改めて紹介するオールスター作品ならではの顔見世が行われること。マーベル作品が初めての人も登場するキャラクターとその背景がおおよそ把握できる。もっともこの作品自体が「アベンジャーズ・シリーズ」のプロローグといってもいいのだが、それぞれに見せ場を設けたメンバー紹介は楽しい。
もうひとつは、マーベルファンにしろ映画ファンにしろ、誰もが思うことを実現したこと。それは、ヒーローの中でいったい誰が一番強いのか?という疑問に応えてくれるのだ。
アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ソーが戦ったらどうなるか、それが見られるのは「アベンジャーズ」ならではの醍醐味だ。
意外に冷静なのがハルクことブルース・バナー博士だ。マーク・ラファロが少し茶目っ気のあるハルク像を作り上げている。
ビジュアルも見応えがある。
スタークのメカは更に進化し、空飛ぶ母艦ヘリキャリアの重量感は申し分ない。
大作でありながら画面サイズがビスタだが、動きが速い作品でしかも3Dで奥行きもあり、横長のスコープサイズよりもビスタの方が画面に集中しやすいと判断したのかもしれない。IMAXのような大スクリーンの劇場であれば、ビスタ・サイズとてあなどれない。
ジョス・ウェドン監督の作品を観るのはこれが初めてだが、ド派手なアクション映画でありながら緩急をつけ意外に落ち着いた作品に仕上げている。
アラン・シルヴェストリの音楽はいかにもハリウッド大作といった楽曲で最後の最後まで気持ちがいい。最近のアクションものに多いズンチャカ音ではなく、うるさくない。
マーベルの“お祭り映画”としてよくまとまった作品だ。
ところで、あの人は本当に死んでしまったのだろうか? 生きてて次回作で復活してほしい。