「その盾に正義を込めて」キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー クリッターさんの映画レビュー(感想・評価)
その盾に正義を込めて
マーベル・シネマティック・ユニバース第5作目にしてキャプテン・アメリカ1作目。
アベンジャーズを除くフェイズ1単独作ではソーに続いて二番目に好き。
キャプテンと言うと、どうしても続編のウィンター・ソルジャーや、シビル・ウォーに目が行きがちだが、個人的には1作目が一番好きだ。
タイムライン的にはMCU最古の物語になる本作はもやしっ子スティーブ・ロジャースが如何にしてキャプテン・アメリカになるかが描かれる訳だが、その方法たるや、実にシンプル。
簡単に言えばレンジでチンするだけw。
たったそれだけでもやしその物だった彼の身体はソー並のムキムキマッチョになれるのだ。
だが本作で大事なのは、ムキムキマッチョになって、悪者を盾でガンガン倒すことだけではない。
重要なのは主人公スティーブ・ロジャースの人間描写。
物語序盤からすでに、身体がガリガリで貧弱にも関わらず、戦争を終わらせんと、闘志を燃やしているのだ。
たとえ、兵士の募集で何度不合格にされようとも、自分よりでかい男にボコられようとも、訓練がキツくても、何度でも立ち上がり、絶対に諦めない。
そう、スティーブ・ロジャースは身体は弱いが、すでに不屈の闘志で立ち上がる立派な「ヒーロー」だったのだ。
ここが他のヒーローと決定的に違う所であり、彼の最大の魅力だと思う。
個人的に面白いと思ったのがここらへんがソーと対になってる所。
ソーは最初からパワー全開だったが、彼はヒーローになるための心構えが足りなかった。
一方でスティーブは心構えはヒーローその物だが、弱すぎる身体が災いして、思うようには中々行かない。
力、心、どちらも必要不可欠。
大事な物を兼ね備えてやっと立派なヒーローになり得ると言うのをこの二人が青臭くなく教えてくれるからこの2作品はフェイズ1でも個人的にお気に入りなのである。(まぁ、人によればそこが青臭く写ったり、微妙なのかも知れんが)
ようやく力を得ても、前線に出してもらえなかったり、国の回し者にされたり、大佐に嫌味を言われたりと何かと気苦労が絶えないが、それでも、上の命令を無視して親友バッキーを救おうとしたり、その親友が崖っぷちから転落して悲しみに暮れても、突き進む彼の行動力溢れる男気っぷりには惚れ惚れする。
アベンジャーズのリーダーは彼をおいて他にいないのだ。
最もグッと来たシーンはやはり最後のレッドスカルとの戦いを経てのキャプテンの自己犠牲だ。
機体が激突し、無線が途絶えても涙ぐみながらスティーブの名を呼び続けるペギーが何とも切ねぇ…。
でも、あなたとのデートの約束を決して忘れたり、不意にするような不真面目なやつではない。
たとえ70年も経とうが。
スティーブ・ロジャースとはそういう男だ。
エンドロール後、駒は全て揃ったと言わんばかりにアベンジャーズの特報映像が映画の最後に組み込まれる。
この映画を観終わった頃にはすっかり、シリーズの虜になっていた自分がいた。(5、6年前の話ね)
追記
キューブの力でレッドスカル消えていったけど、彼は今いずこに?
あと、トミー・リー・ジョーンズがうまそうにステーキ食うシーン、あれ観てると腹減るわ。