「ちょっと内輪ネタが過ぎる」アイアンマン2 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと内輪ネタが過ぎる
今更のレビューなんで他の方の意見と被る部分も多いですが、まあひとつ。
スケール感にやや乏しかった前作に比べ、今回は登場人物も群衆シーンも増え、バトルもかなり大がかりなものになった印象。
主人公のスターク社長も相変わらず超天才&超リッチなのに気負いが全く無い。こんなに気持ちの良い金持ちもいないですね。
今回は訳あってちょっとヤケを起こしているので、モナコレースに飛び入り参加したり、泥酔状態でスーツを着て暴れたり、そのワガママ中年ぶりに拍車が掛かっている。だがどんなに深刻な状況でも、飄々とした感じが崩れないのが良い。
だが、話がシンプルだった前作に比べるとなんだか今回はせわしない。
『スタークエキスポ』『イワン・ヴァンコ襲来』『アイアンマンスーツ没収』『スーツの副作用』ついでに『S.H.I.E.L.D.の暗躍』と、本筋に絡む要素が多過ぎてかえって話が散漫に。
バトルシーンも大掛かりにはなったけど、前半と終盤にしか用意されてないのでアクション映画好きにはやや消化不良。
あとは社長がスーツをこつこつ開発するシーンも無くなっちゃったのも寂しいなあ。
けど、一番気になった点は別にある。
前作のエンドクレジット後に15秒だけ出てたキャラクターに物語で最も重要な鍵を握らせるのはどうなんだろう。彼の所属する『S.H.I.E.L.D.』という組織やその要員の説明も殆んど無いし。
アイアンマンやハルクといったマーベルヒーローが揃い踏みする映画『アベンジャーズ』の企画を知ってる人はいいだろうけど、そうでない人は「こいつら話にやたら絡んでくるけど誰?」となり兼ねないような。
前作を観ていない人(またはエンドクレジットまで観ていない人)や、そもそも映画情報を仕入れる習慣の無い人にはちょっと敷居の高い映画かな。
シリーズものとしてはアリかも知れないが、エンタメ映画って、単品で観て楽しめる映画である事が第一かと。今回はちょっと物語に絡んでくる内輪ネタが多すぎて、「いちげんさんお断り」みたいになってるように思えます。
諸々不満はあるけれど、クライマックスを飾るバトルシーンは怒涛の迫力だったと付け加えておく。
ネタバレすると勿体無いので詳細は伏せるけど、投入される物量がまぁ半端無い!
その迫力にスコア0.5プラスで。
次のマーベルコミック原作映画は『ソー』ですか。知らない人でも楽しめる映画、期待してます。
<2010/6/13鑑賞>