「ミッキー・ロークの猫ムッチ。 『アイアンマン2』というよりも、『アベンジャーズ0』っぽい映画。」アイアンマン2 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ミッキー・ロークの猫ムッチ。 『アイアンマン2』というよりも、『アベンジャーズ0』っぽい映画。
スーパーヒーローが一堂に会するアメコミアクション映画「MCU」シリーズの第3作にして、大富豪トニー・スタークの活躍を描く『アイアンマン』シリーズの第2作。
胸につけたアーク・リアクターにより体が蝕まれるトニー・スタークの前に、彼の一族に恨みを持つヴィラン「ウィップラッシュ」が立ち塞がる…。
監督/製作総指揮を前作から引き続きジョン・ファブローが務める。ハッピー・ホーガン役としても続投している。
○キャスト
トニー・スターク/アイアンマン…ロバート・ダウニー・Jr。
ペッパー・ポッツ…グウィネス・パルトロー。
ニック・フューリー…サミュエル・L・ジャクソン。
J.A.R.V.I.S.(声)…ポール・ベタニー。
○新キャスト
トニーの新任秘書ナタリー・ラッシュマンを演じるのは『プレステージ』『そんな彼なら捨てちゃえば?』の、名優スカーレット・ヨハンソン。
ハマー・インダストリーズのCEO、ジャスティン・ハマーを演じるのは『グリーンマイル』『チャーリーズ・エンジェル』の、後のオスカー俳優サム・ロックウェル。
テレンス・ハワードに代わりローディ・ローズ中佐を演じるのは『天使のくれた時間』『オーシャンズ』シリーズのドン・チードル。
今回のスタン・リーは、テレビ司会者ラリー・キングとしてカメオ出演している。製作総指揮も務める。
製作はケヴィン・ファイギ。
なんというか、この映画の第一印象は「地味」。
前作と比べ、アクションに面白みがない。というより、アクションシーン自体がとても少ない様な気がする。
作中のド派手なバトルシーンは大きく分けて3つ。
①モナコグランプリでのウィップ・ラッシュとのバトル。
②ローズ中佐と繰り広げるアイアンマン同士のバトル。
③クライマックスでのアイアンマンのパチモンロボットとのバトル。
①のバトルはすごく良かった。ムチでレーシングカーを切り裂くという映像は迫力があるしフレッシュ。
ウィップラッシュを演じるミッキー・ロークは突然現れた得体の知れない男という雰囲気を上手く醸し出しており、映画の掴みとしてはとってもよかった。
ただ、このバトル以降は右肩下がりに盛り下がる。
②のバトルはもっと盛り上がっても良さそうな設定なのになんか痴話喧嘩みたいでいまひとつ。
③のバトルは映画のクライマックスなのにこじんまりとしていて単純につまらない。
アクション映画において敵の強さというのは非常に大事だと思うんですが、今作にはそれが欠けている。
ウィップラッシュはその不気味な雰囲気や登場時のインパクトは素晴らしいのですが、めっちゃ弱い💦ラストバトルではトニー&ローズの合体技で一撃って…。
彼の作っていたロボット軍団もザコ中のザコ。
アイアンマンがピンチに陥らないので緊張感のかけらも無い。
ウィップラッシュがスターク一族を恨んでいる理由もただの逆恨みのため、動機として弱い。
トニーの父親を良い人として描くよりも、悪人として描いた方が良かったのでは?その方が武器商人らしいし、悪役に感情移入できるし、トニーの葛藤も描けるだろうし…。
毒に侵されたトニーの復活もなんだかなぁ…。
親父が凄い元素のヒントをわざわざ暗号で残していた意味は一体…。もっとわかりやすく伝えれば良いのでは?
スカッとしたアクション映画かと思っていたら、説明が多くてスピード感のない作品だったためガッカリ。
明らかに後の作品『アベンジャーズ』(2012)を意識した作品であり、その前振りの様だと感じました。
すごくつまらない映画というわけではないのですが、あと一歩といった印象です。
ただ一つ間違いなく言えること。グウィネス・パルトローのスタイルはエグい!✨