「掲げた大看板に反して。。」アマルフィ 女神の報酬 かつさんの映画レビュー(感想・評価)
掲げた大看板に反して。。
「フジテレビ開局50周年記念作品!」とか、「全編イタリアロケで撮影!」とか、掲げられた大看板の割に、ストーリー展開がそこまで深いものではなく、シンプルで、意外な展開に驚かされたり、登場人物の心情が心打たれたりなどはなく、全体的にあまり印象に残らない作品でした。
確かに、イタリアの風景は美しい。それは間違いないんですが、あまりにもそれが前面に出過ぎてて、ちょっと安っぽくみえてしまいました。。なんか、2時間サスペンスドラマで、随所に地方の観光地の風景が映されるのと似たような感じです。
サラ・ブライトマンの歌声もとても美しい!文句なく。ただ、なにも、犯人に迫るあの一番緊迫感のあるシーンで使わなくてもよかったんじゃないでしょうか?歌声に魅了される感情と、犯人に迫るという緊迫の感情という相反する感情をないまぜにされて、なんとも言えない変な気分になりました。最高の素材を、ヘタに使ってしまったという印象です。
あと、人物像がそこまで深く描かれていないので、登場人物のだれにも感情移入できなかった。矢上紗江子は情緒不安定ですぐにパニックになり、気分を落ち着かせるためにすぐにタバコに頼る人という印象で、子供を大事にしてる感がイマイチ伝わってこない。(やっぱりタバコっていい印象を与えないですね。)藤井昌樹も、なぜそこまでしないといけないかがイマイチ伝わらない。奥さん含めた仲間たちが犠牲になってしまうまさにその現場のシーンとかをあれば、もっとの気持ちが理解できたかもしれないけど、流石に記念写真だけではなんとも。黒田さんは、最初こそクールな印象でしたが、矢上に肩入れし始めてからは、まんま青島さんでしたね(笑)
あと、副題の女神の報酬の意味は何なんでしょうか?ストーリー上では、それを匂わせる要素すらありませんでしたが。。原作読んでるとわかるのかな?
やはり、後世に残る作品って、いくらお金かけたかとか、映像がキレイだとかじゃなく、脚本が大事なんだと感じました。