「起こるべくして起きた奇跡?」セントアンナの奇跡 いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)
起こるべくして起きた奇跡?
☆
どうして真面目に生きてきた男が殺人事件を起こし、
価値のある彫像を所有していたのか。
冒頭でグッとつかみ、第2次世界大戦下のイタリアに飛び、
謎解きをしていく、というよりも、
スパイク・リーらしくと言えばいいのか、ナチスを単純に悪にとか、
黒人を単純に差別するとか、というのではなく、
ドイツ軍も連合軍もパルチザンも入り混じり、単純ではない人間の醜さと、
純粋さを描いていく。
じっくりと2時間40分あまりをかけて。
助ける少年の描き方も、
ラストの奇跡もファンタジックに描かれ上手く調和し
トンマッコルへようこそ と同じ様な印象も受けます。
R指定の付いてる作品ですし、
エンドロールにはILMのクレジットもありましたので、
戦闘シーンなどの描写はリアルですが、
イタリアの人々に差別されない黒人兵が
自由をはじめて感じたというようなセリフなどが強く残り、
人種や宗教の壁って、差別する側、される側の違いってなんだろうと、
複雑で考えさせる作品でありました。
☆
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