「楽しく次の箱根駅伝が見れそうです。」風が強く吹いている 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
楽しく次の箱根駅伝が見れそうです。
2006年の三浦しをんの小説「風が強く吹いている」の映画化。素人集団が、箱根駅伝に出場する物語を描いている。2007年には漫画化・ラジオドラマ化され、2009年1月には舞台化されており、満を持しての映画化です。
カケルがハイジからアオタケのメンバーに紹介されるところなど、セリフまで殆ど原作どおりのシーンもありますが、自覚の程度の議論はありますが、アオタケへの入居条件として毎日5kmのランニングが義務付けられているなど、映画化に際してストーリー簡略化のためか少しずつ話が原作と異なっている部分があります。私的には、原作の描き方の方が好きですね。完全素人の方が、話的には面白いです。映画の描き方だと、話に深みが少し欠けます。
さて、箱根出場の仕掛け人ハイジは、小出恵介が演じています。原作のイメージでは、玉木宏と言う感じでしたが、映像で見てみると小出恵介のハイジも有かもしれませんね。優しく、時に厳しくカケル達を箱根に導いていくハイジを上手く演じています。
そしてこの物語のカケルを演じるのが林遣都。彼は、カケルの持つ刃物のような雰囲気を上手く演じています。走る姿も一流走者の姿です。実際彼は、この映画に際して駅伝指導をしてくれた大学から、スカウトされたとか。それほど美しい走りです。
そしてこの映画を物語るためには、沿道の映像は避けられません。本当の駅伝の映像を使っているのでは?と思われるところも多々ありましたが、中継所のシーンや一部沿道のシーンなどは、総勢3万人にも及ぶエキストラを使っているそうです。また、関東学連ほか読売新聞や日本テレビも製作に協力しているので、小旗や垂幕、ゴールテープなどの小物もホンモノと同じ(に見えます)。正月の高視聴率番組として全国的に見られているものなので、流石に手を抜くわけには行かなかったと言うことでしょうね。ところで、冒頭のタイトルバックの桜ですが、あれはCGですよね?
原作を知ってから見ると、所々不満の無い訳ではありませんが、全般的には良い映画だと思います。日本人は、こう言うみんなでがんばろう的な話は好きですしね。あ、5区を走り終わった後、神童が母親と話しをするシーンには泣かされそうになってしまいました。劇場中“シーン”としていたので、みんな同じだったかな? 来年の箱根も、楽しく見れそうです。