「違う人生の可能性を感じた時の苦み」シェルブールの雨傘 a0064さんの映画レビュー(感想・評価)
違う人生の可能性を感じた時の苦み
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全編の台詞が歌になっているのは、ミュージカル初心者からすると気恥ずかしくなってしまったが、中盤から慣れて、物語に入り込むことができた。
ラストシーンで、ガソリンスタンドを訪れたのは偶然ではなく、別の人生を歩んでいたかもしれない自分を探しにきたのではなかったか。
「あなた、幸せ?」という問いに女性はあったかもしれない自分の人生の幻想をすべて込め、男性が幸せだと答えたところで両者の人生の接点が完全に失われたように感じた。
時として、人生では大きな選択を迫られることがあり、選択をした後で振り返ってみると、別の選択をしたときに歩んだはずの別の人生がまざまざと想像されることがある。そんな時、なるようにしかならないんだと背中を押してくれるような作品である。
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