「はじめての遅刻。」ホルテンさんのはじめての冒険 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
はじめての遅刻。
名画座にて。
おそらくこういう話なんだろうとは思っていたが^^;
それを遥かに上回るのんびり感とボチボチ感とクスクス小笑い。
大ウケを狙う箇所がほとんどなく、かといってつまらなくもない。
「冒険」なんて書いてあるから、もっと凄いことを経験するのかと
思ったのだが、考えてみればホルテンさんには「この程度」が
もうすでにMAXなのかも…^^;
人生初の遅刻を、最後の運転日にやってしまったホルテンさん。
で、逃げるしかないのか…?(爆)
真面目なヒトほど、トラブル時にこういうトンチンカンをやらかす。
それがまた、憎めないというかなんというか…。
ただまぁ、物語自体は本当にありふれている。
小さな騒動は、ホルテンさんの周りでしか起こらず^^;
定年を迎えた彼が、少しずつ自分の歯車をずらしていくような、
とはいえ、観ている側からすると、それほどの事でもないという。
こういう一歩ズレちゃいました。感が気に入るかどうかにもよる。
…私はけっこう面白かった。
なんで逃げるんだよ?オイ…みたいな場面が多すぎるうえ、
さらにその後の展開を追いもしない構成があり得ないのんびりさ。
いったい何者なんだ、この男は。と思うも、なんだか憎めない。
電車を降りたとたんに、様々な出逢いを果たしてしまったような、
それが必要か不必要かなんてことは、あまり大したことではない。
とりあえず、はじめの一歩。が大切なのだと迫ってくる(爆)
母親の夢を叶えられなかったホルテンさんがスキージャンプ台に
(とてもあれが成功するとは思えないが^^;)向かうシーン、
監督の母親がやはりジャンパーだったんだそうだ。
終始制服に身を包み、パイプをくわえ、電波時計みたいな人生を
歩んできた彼が、ふと踏み外す瞬間が愉快で愛おしくなる作品。
(原因をつくった子供にも笑える。なんでドラムセットがあんのよ^^;)