「ああ定年・・」ホルテンさんのはじめての冒険 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ああ定年・・
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邦題とポスターに惹かれて鑑賞したが冒険らしき冒険は無く、ワンちゃんも奇妙な老人の愛犬だったし出番もほとんどない。邪推すれば定年退職の老人の話では客を呼べないので冒険というタイトルで列車事故の回避とかハラハラ感を想起させ、動物好きを当て込んで犬を添えたのだろう。宣伝部の心理操作にまんまとしてやられた感は否めません。
鉄道の運転士を40年間、勤勉実直を絵にかいたようなホルテンにしてみればルーティンから外れることは全て冒険なのだろう。鉄道一筋かと思いきやヨットマンでもあったようで貧しい鉄道員の話と言う訳でもない。
悪人ではないのだが人柄が今一分からない人物、片時もパイプを離さずマッチや灰をあたりかまわず捨てたり、他人の部屋に侵入したり収集品を盗んだりでは感情移入しようにも醒めてしまう。唯一、母親の期待から逃げていたスキージャンプに挑むのかと思いきや、肝心なところは描かれない。まあ、ラストはほのぼのなので救われた。一貫した筋と言うより挿話を味わう趣向なのだろう、”何かを成すに遅すぎると言うことは無い”と奇妙な老人が語っていたが、テーマではなく主人公へのエールなのでしょう、やはり定年になってから気づくより元気なうちに考えたほうが良いでしょうね・・。
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