「家族愛・兄弟愛・命の重さ・尊さを改めて考えさせられた」私の中のあなた 凛々シストさんの映画レビュー(感想・評価)
家族愛・兄弟愛・命の重さ・尊さを改めて考えさせられた
監督が『きみに読む物語』のニック・カサヴェテスですが、単純に映画として素晴らしい感動のヒューマンドラマです。
映画館で思いっきり泣いたんですけれども、単に泣けるから=感動できる素晴らしいヒューマンドラマと言うわけではなくて、元々原作がイイからなのか、脚本がしっかりしてるからなのか、泣けるだけじゃなくて、特にハッピーエンドが待ってるわけでもなく、特別な善人がいるわけでもなければ、悪人がいるわけでもないんですけれども、兎に角素晴らしい家族愛や命の重さ、尊さについて深く考えさせられる映画でございました。
なんと言ってもキャストが素晴らしいですね!
母親のサラ役のキャメロン・ディアスは、ラブコメじゃなくても素晴らしい演技ができる女優さんであるということにはじめ、姉の命を救うドナーとなるべく遺伝子操作で生まれてきた『リトルミスサンシャイン』のアビゲイル・ブレスリン演じるアナ、白血病患者の姉、ケイト役のソフィア・ヴァジリーヴァなどなど、どの俳優さんも素晴らしい☆
特にソフィア・ヴァージリーヴァは、個人的には初めて観たような気がするんですけれども、とても素晴らしい圧倒的な演技だったんじゃなかろうかと思います。
闘病生活に苦悩する姿から、無邪気な笑顔、同じく病気に苦しむ恋人のテイラー(トーマス・デッカー)との無垢な絡みなどなど、本当に素晴らしい演技でした。
またその娘の姿を、母の厳しさ(ある種の優しさ)とは逆に、冷静に優しい眼差しで見守る父のブライアン(ジェイソン・パトリック)の姿も印象的で、そんな問題を抱えた家庭の中で苦しむ、思春期を迎えた長男のジェシー(エヴァン・エングリン)の複雑な心境もよくわかります。
フィッツジェラルド家だけに限らず、突然ケイトへの腎臓の提供を拒んだアナから弁護を受けた弁護士(アレック・ボールドウィン)から判事(ジョーン・キューザック)にいたるまで、出てくる全ての人が問題を抱え、またそれに悩みもしているんだけれども、全ての人にとって愛に溢れかえった作品でございます!!
2009年に劇場で観た映画の中では、個人に一番感動して深く考えさせられ、じんわりきた作品!
老若男女問わず、何をか感じることができるような映画なんではなかろうかと思います♪
何度も言いますが兎に角愛に溢れている。
家族や兄弟のことや、命の重さ、尊さを、改めて考えてみようと思う。