「キラがLを!」カイジ 人生逆転ゲーム kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
キラがLを!
1000万部以上を売り上げている福本伸行の人気コミック『カイジ』を実写映画化した作品。読んだことはないけれども、パチンコのカイジは一度だけ打ったことがある・・・などと書くと、まるで豪華客船エスポワール号のギャンブルに参加させられた“クズ”どもと同類だった自分に気がついてしまいました(汗)。
主人公伊藤カイジ(藤原竜也)は友人の保証人となったため、悪徳金融会社の女社長遠藤凛子(天海祐希)に「一夜にして借金を帳消しに出来るどころか、大金を手にするチャンスがある」と口車に乗せられワンナイト・クルーズに参加することになった。社会の底辺を細々と生き抜いている参加者たち。フランス語の“希望”を意味する豪華客船のホール内で熾烈なジャンケンゲームが始まった。
配られた★が三つ以上残っていれば勝ち残れるという奇妙な発想や、利根川(香川照之)による“ルール説明は一度だけ”というところにも盲点があったり、映像ならではのスリリングなゲームが展開する。各4枚あるグー、チョキ、パーのカードを全て使い果たし、全てがあいこであれば参加者全員勝ち残れる可能性もあるのですが、★ひとつが100万円1分1%複利の利息で貸し付けられるため胴元が絶対有利の賭博場なのだ。船井(山本太郎)というパートナーに騙され、絶体絶命となったが、カードに血をつけて難を乗り越える・・・が、結局は地下帝国で働かされる羽目に・・・
ジャンケンの次は高層ビル間の鉄骨渡り。落ちれば即死というトンデモナイ内容ではあるが、この“死のゲーム”を笑いながら鑑賞する金持ちたちが憎々しく浮かび上がる。映画『ホステル2』でも残虐さに快楽を求める人たちが描かれていましたが、古くは戦車競技の『ベン・ハー』や『スパルタカス』『グラディエーター』など、古代ローマ格闘場で富裕層が奴隷たちの死の闘いを楽しむ姿がありました。金や権力を手に入れた人間というものはなぜこうも残酷な心を持ってしまうのでしょうか・・・松山ケンイチが今後も活躍するかと思ったのに、最後の最後で落下(即死)してしまう・・・
そして最後のゲームは“Eゲーム”。一方が皇帝1枚と市民4枚、他方が奴隷1枚と市民4枚で争う三すくみのカードゲーム。カイジとコンツェルン“帝愛グループ”の利根川との勝負はまさしく社会の縮図となっている。不利な奴隷の側は5分の一の確率でしか勝つことができないのに、カイジはレートの高さにより3回とも奴隷を敢えて選んだ。2回でマイクロチップのいかさまにより無一文になったのに、39歳の社長・遠藤(天海祐希)に金を借り、3回目に臨む。
ストーリーはギャンブルものとして受け止められるが、巨大悪徳企業と地下強制労働のコントラストに注視すると、今年リメイクされた『蟹工船』さえも思い起こしてしまう(ある意味、社会派?)。現代社会を象徴するニートとはどこか違い、不遇な借金債務者や負け続けたギャンブラーといった“負け組”たちは、抜け難い地下作業所においても必死に生きようとしているのだ。しかし、誘惑に弱い彼らは班長(松尾スズキ)によって少ない給料からも搾取され、借金地獄から逃れられなくなっている・・・
好きなギャンブル映画としては『シンシナティ・キッド』『スティング』『麻雀放浪記』が挙げられますが、多少のギャンブルは好きでも実生活においては大勝負なんてしたことありません。失うものがないという状況にならないと踏み切れないのかもしれませんね・・・
班長の存在が社会を表してるなーと思いました。
私はコーラ大好き人間で、仕事で疲れたあとはお酒よりコーラ派なので、コーラでキンキンに冷えてやがるっ悪魔的だ!をやりたいと思います😄😄そういえば映画館でコーラ以外を飲んだことがない気がする、、、