グラン・トリノのレビュー・感想・評価
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幸せな死に方
見終えてからだいぶん経つのに、なかなか感想を書けなかった。
誰も信じず、心開かず、孤独で、実は淋しがり屋の主人公に、幸せな死が訪れた。
誰かに愛されてると、必要とされていると信じることで、人は死への恐怖から解き放たれるんだって思う。
主人公は何も怖くなかったろう。
柩に入る時に着る背広を誂えて
床屋でいつもよりも綺麗にして、
大切な物を護る為に最善な方法として死を選ぶ。
自分から選ぶのだ。
決して待つのではなく。
主人公の死は悲しく思わなかった。
主人公の幸な死に方に気づいていない家族が切なかった。
「変わりないか」ってあの電話、異変に気づかないのかよ!お父さんからかけてくるなんて、今までなかったろ?
チャンスだったのに、心を通わすチャンスだったのに。
こんなふうにイラつくのは、自分の父親とクリント・イーストウッドが重なるからに違いない。
この次に観るときは
もっと心穏やかに見れますよう人として成長しましょう。
偏屈ジジイとシャイボーイ、社会に背を向けた老若の友情
偏屈ジジイとシャイボーイ。
人生に背を向けているという点では、両者似たものがあるのかもしれない。
グラン・トリノは、このステレオタイプな二人を引き合わせ、友情と男の絆を示してくれた。
まず、クリント・イーストウッド演じるウォルト・コワルスキーの偏屈っぷりがすごい。
妻の葬儀に孫のファッションに腹を立て、家に集まってくれた遺族らに「ハムを食いに来ただけ」と突き放す。友人と呼べるのは愛犬のデイジーくらい。
庭に入ってきた乱暴な東洋人には、朝鮮戦争で使っていた愛用のライフルを突きつけて追っ払うという超保守的なアメリカ人で、日本で言うところの「昭和一桁生まれ」といったところの頑固者。
他方、家族からも「女みたいで大丈夫なのかい?」的なことを言われ、当人も伏し目がちで口数も少ないモン族の少年がタオ。
本を読みながらストリートを歩いているところなんか、二宮金次郎的ではある。
ところが映画『グラン・トリノ』の舞台は、そんなインテリぶった少年が尊敬されるほど牧歌的な街ではない。チンピラに難癖つけられ、言いたい放題言われっぱなし。情けないぞ、タオ少年!
そんなだから自動車ドロボーを強要されてしまう。
狙うはコワルスキーの愛車、グラン・トリノ。
そこで盗人と被害者という奇妙な出会いが二人を結ぶというプロローグ。
いくら偏屈ジジイとシャイボーイに社会性がないからって、まさか自動車ドロボーから友情に発展するとは誰も思うまい。
否、『グラン・トリノ』に期待する観客の多くは、このくらいのイントロ情報は仕入れているだろうから、観る人にしてみれば既知の事実なのだろうけど。
ただ、そこからつながる二人の友情と結末は予想できないと思う。
というか、偏屈ジーサンが少年との友情通してハートウォーミングになるなんてメロドラマ、まさかイーストウッド監督がそんな作品つくるわけないと思うから、どこに向かうんだろうと奇妙なハラハラ感。
本なら早くページをめくれば済むことだけど、ところがどっこい映画が相手じゃしょうがない。黙ってシーンを追う。
結果、何が待っているか。
それはコワルスキーじいさんの生き方そのものが問われる。
シャイボーイのタオ少年一人を男にしてやるだけでは足りない業が、ヴィンテージ車のグラン・トリノ同様、長い歴史を背負ったコワルスキーじいさんは、今までのやり方で通用しない苦しみを味わう。
観客も味わう。生々しい苦痛を。
そして全てに決着をつけるべく、コワルスキーじいさんは、死を覚悟したサムライが鬢を整え、身だしなみを正すのと同じく、きちんと身支度するのであった。
アメリカ人は結婚前夜に未婚生活最後の日としてコールガール呼んでパーティーするような連中だと思っていたから、覚悟を決めた男が静かにそのときを迎えようとする態度に感動。
日本人としても静謐な緊張感の高まりに共感しますぞ!
決着のつけ方はいろんな意見があると思う。
それでも家族にさえも心を開いてこなかったコワルスキーじいさんが、最後の最後に得られた安らぎは、こういう形でなければ結実しなかっただろう。
そういう意味では、これが一番受け入れやすい結末。
最後に走り抜けるグラン・トリノ。
その後ろ姿を見ながらのFin。
うーん、味わい深い。
劇場での上映中、みんなして褒めそやしてたのがわかります。
僕も映画館で観たかった。
では評価。
キャスティング:6(クリント・イーストウッドの存在感が全て)
ストーリー:8(コワルスキーじーさんの少年との友情、生き様。自然に入ってくる心の変化)
映像:7(カットを多用せず、じっくり見せる映像と演出)
偏屈:7(ここまで頑固ジジイに徹してくれたら、逆に清々しいほど)
友情:9(社会性に乏しい偏屈じじいとシャイボーイが、徐々に心通わせる様子が見事)
というわけで、総合評価は50満点中37点。
旧車ファンなら共感しまくりのシーンが詰まっているそうな。オススメ。
偏屈なまでの頑固一徹男の生き様を捜している人にビンゴ! とってもオススメの映画。
悲しくも心温まる最後の決断に涙
正直に言ってクリント・イーストウッドの作品はこれが初鑑賞。『ダーティハリー』はおろか『許されざる者』や『ミリオンダラー・ベイビー』、『硫黄島からの手紙』も観ていなかった。なのでよく評判に聞く「クリント・イーストウッドの集大成」的な良さを感じる事は、永遠に出来ないだろう。でもこの映画が奥の深い、素晴らしい作品だという事は理解できた。
まず明暗の具合が素晴らしい。作品の質に深みと味わいを与えている。そして全体の構成は本当に無駄が無い。例えば神父に懺悔に来るよう言われるが、懺悔を断固として拒否し続ける。これは、主人公ウォルトが朝鮮戦争で犯した罪は懺悔なんかで拭えないくらい大きなものであるという事の裏付けととれる。また、モン族と関わるのは、彼らがウォルトの殺したアジア人に似た種族だから。つまり彼らと関わり経験や知識を伝えることが、救いと償いを意味するのだろう。この辺りがとても巧みである。そして、本作は「罪」や「生と死」を強く意識しており、最後の決断はその象徴である。ウォルトは、自身の残り少ない命をチンピラ共への報復に使う。彼は、死ぬことよりも生きて自分が犯した罪を悔いる方がよっぽど苦しいことを知っている。タオに自身の苦しい経験をさせずに、且つチンピラ共に最大限の苦しみを与える為の唯一の手段が自分を殺させる事なのだ。命懸けのけじめによって人生において非常に大切な事を教えてくれたラストに感動せずにはいられない。同時に朝鮮戦争で自身が犯した罪へのけじめも意味していたと思う。この残り約25分の展開はとても奥が深く、悲しくも美しい展開である。ちなみに地味ではあるが、この25分の中で神父がチンピラ共に対して正直に憎みビールを飲む姿は結構お気に入りのシーン。最後でタオに「グラン・トリノ」を譲るのは恐らくタオへの感謝の気持ちなのだろう。
生き方に影響受けました
アメリカの生活が見えてくる内容でした
きっとウォルトの身近な家族だったら本当に変わり者の目線で見てたかもしれません
でも
亡くなってみると
とても存在の大きかった
そんな彼
本当に格好良すぎです
ある頑固ジジイの生き様
私としては「ミリオン ダラー ベイビー」の方が好きですが、これはこれでよかったと思います。クリント イーストウッド出演最後の作品に相応しい内容でした。どちらかと言うと年配向けだと思いますが、何を言わんとしているのかは、わかったと思います。 主人公は妻に先立たれたばかりの孤独な老人ウォルトある日彼の住む隣の家にミャンマー人一家が越してきます。初めはあまり良く思っていなかったウォルトでしたが、彼らと節しているうちに心を開いていき、やがて彼らと不思議な友情が芽生え始めます。 注目はクリント イーストウッドの熱演、作品全体の雰囲気そして、予想を裏切るストーリー展開です。特に中盤から後半のストーリーが非常によく出来ていて、予想を裏切る展開に呆然としてしまいました。私の中盤までの予測では“主人公のガン闘病記”みたいな展開になり、最終的にイーストウッドが病室のベッドの上でウルウルした目で“ボク、生きる資格あんの?”とか言い出すのかと思っていました。しかし、まったく違う方向へ行ったので安心しました。 それから、クリント イーストウッドの演技についてですが、まあ、昔と変わらずキャラはずっと同じなのですが、独特の味とユーモアがあり、つい演じているキャラを好きになってしまいます。他の出演陣も良い味を出していたと私は思います。 それから、雰囲気はイーストウッド作品の「ミスティック リバー」に非常に近いものがあり、安心感とサスペンス感を上手くミックスさせたようなものでした。「ミスティック リバー」の雰囲気が苦手だった方にはオススメできません。それから、リアル感を出す為なのか音楽がほとんど使用されていないのも特徴で、人によっては眠ってしまうかもしれません。 さて、この作品の弱点は一目瞭然です。オープニングからウォルトとミャンマー人少年との交流に辿り着くまでの展開がはっきり言って遅すぎます。私としてはあの当たりをもう少しどうにかしてほしかったです。それから、疑問に思ったのはなぜ、グラントリノが車庫から出たり入ったりしていたのかがよくわかりません。別にウォルトが車を洗っていたわけでもなさそうでしたし・・・何となく不自然でした。 しかし、非常によく出来た作品で若者層にはオススメできませんが、年配層には思い出に残る作品になると思います。
イーストウッドの最高傑作
この映画は間違いなくヒューマン映画の最高傑作です!!
妻を亡くしてしまった主人公に残されたものは....
息子や孫との深い溝と
愛犬と
愛車のグラン・トリノと
戦争での悲しいトラウマ
だけでした。
そんな主人公がモン族という部族との交流をさかいに「生きる事の幸せ」を見つけていく過程がとても丁寧に描かれています。
そんなストーリーを軸に暴力による負の連鎖や人種問題など様々な内容が加えられて物語に深みを与えています。
さすがイーストウッド!!ただのヒューマン映画ではなかった!!
ラストはまさに「男の美学」を感じました。カッコよかったなぁ(;_;)
天下一品頑固じじぃ
10/4/9
さすがクリントイーストウッド。
まさにクリントイーストウッド。
偏屈じじぃ、がんこじじぃを演じさせたら右に出るもの無し。
こんな素晴らしい俳優がどうしてこんな素晴らしい作品を撮れるのか。
生きざま、死にざま。
あの死にざまはかっこ良すぎる。
きっとタオにも分かる。
伝えたかったこと。
ジジィ、最期の仕事。
劇場で鑑賞しようとしていたのだが、タイミングが合わず、結局、今まで見ないで過ごしてしまった。
偏屈で偏見に満ちている、ザ・アメリカンなジジィが、孤立した惨めな晩年を終えようとしている時、差別の対象である弱い人々と交流を始める切っ掛けとなる事件が起こる。
過激すぎるとも思われる暴力描写に顔をしかめる人もいるかもしれないが、根底にやさしさが感じとれる。
人間はいつでも変われる。
"男のロマン"の詰まった作品。
"男のロマン"というものを感じる映画。
クリントイーストウッド演じる主人公は偏見だらけの頑固オヤジのように見えながら、1本筋の通った生き方を貫く姿は「男らしい」し、カッコイイ車を所有することがステイタスという価値観もいかにも「男性的」。正直女性の私にはいささか理解しがたい部分もあったが、これを観ると男という生き物が羨ましく感じる。
ラストは"衝撃"というほどでもなかったし、非常にシンプルなストーリー展開だが、その中に人種問題や家族の問題、戦争が人々に残した傷跡、人間としての道徳観など、様々なことを考えさせられる要素が盛り込まれていて、色んな角度から捉えることができる作品だと思う。
「良い映画」とはこういうものだと久々に思える良質な作品だった。
爺さん、かっこよすぎんだよ
こんちきしょ、かっこよすぎんだよ、老いぼれのポーランド野郎!
こうですか?男の会話出来たかな。
どんなに状況にあってさえ捨ててはならぬ矜持があることを時たま映画から教えて貰う時があります。
特にこのグラン・トリノの爺さんには教えられました。フォードの工員としての矜持と、こっちは悲しい矜持だ、戦争で勲章貰った男としての矜持。
前途あるタオに殺人を犯させないため、その悲しい矜持を持ち続けたわけです。命をかけて。
戦争という特殊な状況で人を殺さなければならなかった過去が、爺さんには過去じゃなかった。過去になっていなければ懺悔も出来ないわな。
神学校出たての童貞野郎も、タオもスーもヤムヤムもみんな丸い顔で可愛い顔をしていてその丸い顔が悲しみに恐怖に歪む姿はみたくない、と思ったけれど……でもスーが民族衣装で爺さんの葬儀に出ていた姿は、聡明で強い彼女の未来が明るい物になることを暗示しているんだ、と自分に言い聞かせてみた。
人種やら血やら関係なく家族にはなれる。そして友情とは経過した長さでも濃さでもなく、角度なんじゃないか。そんな風に思いました
泣ける・極まる
クリント・イーストウッド主演の”グラン・トリノ”
現在78歳だそうですが、
「いや~ホント若い」
もちろん顔には年輪が刻まれているんですが
かっこいい渋い!
ストーリーもさることながら、演技もすばらしく
引きこまれたあっといまに感じました
つけいる隙間がない、気持ちがぐっとくる
余韻にひたれる映画でした
イーストウッドはアメリカを見捨てようとしているのか
イーストウッド監督の最高傑作、という評価も当然と思う見事な出來映えだ。ラストは悲劇的ながらも、未来への希望をしっかりと描き込んでいるのは、さすがの演出ぶりだ。ただ、観た後に妙な不安感がわいてきた。
ここのところのクリント・イーストウッド監督の作品は、アメリカ社会の裏側ばかりを描いたものだったり、逆に生粋のアメリカ人を描いてみせようとしていない。この作品でも、物語の中心はラオスからやってきた移民の家族たちで、主人公の肉親たちは物語からは疎外された存在だ。
しかし、今回は主人公は朝鮮戦争の英雄で、帰還してからはアメ車会社で腕をふるった典型的な生粋のアメリカ人男性だ。しかも、グラン・トリノという高級アメ車を後生大事にしているところは、アメリカの名誉やプライドに固執するガンコさは、やや右翼的にさえ思えてくるほどだ。ところが、その生粋のアメリカ人は、人種的にも赤の他人でしかない移民の家族に、どんどん傾倒していき、最後には大事にしてきたアメ車さえも移民の家族に譲りわたしてしまう。これはどういうことなのだろうか。
この作品で、アメリカの英雄を演じ、素晴らしきアメリカを演出してきたイーストウッド監督は、アメリカそのものへの警告も通り過ぎて、ついにアメリカを見捨ててしまったような気がする。アメリカを生きた主人公は、ラストにいたるまでプライドも投げうって移民の家族たちの犠牲となつていく姿は、どこか現代アメリカの鎮魂歌を唄っているように感じて仕方がなかった。
とてもいい映画なのに、なぜかアカデミー賞の候補にもあがってこなかったのは、そんなアメリカ批判めいたものが多くの映画人に理解されなかったからではないかと思う。そしておそらく、イーストウッド監督も評価されないだろうと思いながら、この映画の製作に踏み切ったのだろう。そこが、この監督の映画製作に対する理念の素晴らしさを意味している。世界を舞台にしているアメリカ映画界で活躍してきたイーストウッドだからこそ、今、何をアメリカから世界に発信すべきなのかを見据えて、しかもスクリーンに表現できるのだ。その崇高な監督の理念と思いを感じられるのが、この作品の最大の魅力だと思う。
ただ、イーストウッド監督は次回、南アフリカへと演出の場を移している。次のアメリカを舞台にした映画は、どんな内容になるのか、今度こそ本当にアメリカを見捨ててしまうのか、そんな不安がよぎってくるのである。
じわりと感動
クリント・イーストウッドが本当にがんこじいさんの役にぴったりで、いい味を出していた。人種差別や家族問題、人生とは、、、などいろいろなことを包括しつつ、夢と希望がある映画です。
スタッフロールが最後まで流れてるまで、誰も席を立てずにいました。
苦笑いです
観終えた感動と、クリント・イーストウッド最後の主演作と言う事を
聞いていたのとで、観終えた後で複雑な思いになり、なかなかレビューを
書く気持ちにもなれませんでした。
時間が経ったからと言って、良いレビューが書ける訳ではないのですが・・。
映画では苦笑いが沢山ありました。
妻の葬儀での孫の態度、町に蔓延って来たアジア系住民、ちょっと悪者?的な
日本車など。
偏屈で頑固な爺さんの姿も、未来の自分では?とちょっと思い
それにも苦笑い(^^;
特に愛車を洗車してビールを飲んでる姿は、古いバイクと自分の関係に
つい重ねてしまいました。
観て行く内に苦笑いは、主人公老人が隣人達との打ち解けていく姿で
微笑みになり、町の若者達への行動で怒りに、やがてエンディングでの
悲しみと心を打つ感動へと変わりました。
エンディングロールでは、普段映画館では感動しても、涙を我慢して
流さない私ですが、我慢できずに流れっぱなし。妻にもバレバレ・・・。
こんな素晴らしい映画を作り、役を演じるクリント・イーストウッドが
もう主演してくれないと言うのは非常に残念です。
今後監督としてか、又は違う形で映画製作に関わるのか判りませんが
次回作も楽しみに待ちたいです。
いぶし銀、イーストウッド
イーストウッドのはまり役ですね。
冒頭ではこんなに年をとったんだ・・と軽くショックを覚えましたが、「偏屈じいさん」という新境地を開いたんじゃないでしょうか(笑)
移民大国アメリカの現実が痛々しく描かれています。先入観の塊のような老人がモン族の少年と心を通わせて行く上で、「男気」スイッチがはいります。若い頃に犯した自らの後悔を晴らすべく体をはって行動していく姿が感動的です。老いた体に鞭打って・・・と思ったいたらいやはや、とても凛々しくかっこいいイーストウッドじいさん。
アメリカが失いかけている「何か」のような気がします。
ジーンと胸に響きました
人種問題や家族間の問題の中に少年との交流が一筋の光の様に輝いている、ハートウォーミングムービー。
直接的な暴力のシーンは無いけれど、痛々しいシーンもあって胸に迫りました。
クリント・イーストウッドの頑固オヤジ役がぴったりで、その悔しそうな表情が微笑ましかった。
映画を観ているうちに、グラン・トリノは子供の頃に親が乗っていた車だったなあとぼんやりと思い出した。懐かしい。
エンディングで流れるクリント・イーストウッドの息子の歌と少年と犬と車の映像が観ている者の心に迫る素晴らしい内容の映画でした。
青白い炎、メラメラ
イーストウッドは偏屈な老人が似合う。
その偏屈な老人とアジアの異民族との交流が面白い。
スーというコミュニケーション能力抜群な
お隣りの女性も魅力的だ。
老人のアジア人に対する偏見が消えていく様が
さもありなん、と思わせる。
健全な心があれば、相互理解は出来、認め合える。
そんな心温まる交流が、一瞬にして緊張に変わる。
Cクリントウッドの作品のイメージは、いつも青白い炎だ。
それは、彼のパッションが常に本物を求め、
見掛けなどおかまい無しに、
本当のエッセンスを追い求めるからに他ならない。
この映画も、本物の感動が最後に訪れる、
これで感動できないなら、
どんなことにも感動できないかも、って
思わせるだけの、ラストだった。
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