「「与える」という行為」グラン・トリノ 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
「与える」という行為
昨日クリント・イーストウッド監督の『パーフェクトワールド』を再鑑賞したため、今作も再鑑賞してみた。やはり今作はクリント・イーストウッド監督作品の中でもトップクラスの秀逸な映画だ。
改めて観てみると、『パーフェクトワールド』も今作も、「与える」という言葉がキーワードになっているように思う。イーストウッド演じるウォルトがこれまでに得てきた経験、知識、技術、思考といった人生の結晶を、タオに与えた。タオはこれを受け止めることで男として一皮むけることができた。どちらの作品も、今の世代から子供の世代へと受け継いでいくという、大人としてやるべきことが描かれていて、そこが視聴者を感動させる所以だと感じた。
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