「情け容赦無し」クロッシング(2008) 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
情け容赦無し
父親と息子。双方に取っての“岸壁の母”状態。
「これでもか〜」とばかりに、北の悲惨な生活状況を抉る様に描写する。
まさに情け容赦無しだ!
話自体に目新しさは無いかな?寧ろ予想通りに進んで行く。
基本的には父親と息子の親子愛が根底に有り。その間に、ジュニとミソンの恋とまでは言わないが、淡い物語が入る。
多分に南側の主張が強調されているのは、両国の歴史的な背景を考えたら当然の事なのかな?と言える。
それにしても、よく国として未だに機能しているものだ…と。「そりゃあ!あんた。独裁政権なんだから、当然だよ!」…と、言われたら返す言葉も御座いませんです。はい!
作品自体は、過去の脱北者達の証言を基にして、脚本を構成し製作されているとの事。そんな脱北映画と言えども、そこはそれ。一応は娯楽性を織り込んだ韓流映画の1本でも在りますから!
“雨”だったり“サッカーボール”(石蹴り)。又“指輪や”“靴”と言った、日常的な物を使って泣かせに入るのを良しとするか。「いや、ちょっと…」と、拒否反応をするかで、評価は両極端に別れそうな気がします。
とても悲しい物語なんですが。最後に“或る意味”でのハッピーエンドを用意して在るのは、とても良かったんではないでしょうか。
(2010年5月8日ユーロスペース/シアター1)
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