劇場公開日 2009年9月12日

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「歴史が分かっているからの」火天の城 Bluetom2020さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0歴史が分かっているからの

2024年7月14日
PCから投稿

その後の城の運命がわかっているから、一抹の切なさと想像するロマンを感じる。安土を訪れた印象は「兵どもの夢のあと」で、近所のミュージアムで創造の天守模型も。この作品では、設計や構築の様子を見てきたように表現されていて、ドラマとしても興味津々。
さらに、棟梁の夫妻愛も織り交ぜて、ここまでは良かった。西田さん、大竹さんとも名優だねえ。役作りへの真剣な取り組みを感じる。周りのキャストも立派。名バイプレイヤーとしての夏八木さんは画面が締まるだけに、残念な喪失感は大きい。
残念なのは娘役の設定かな。福田さんは夫婦と風貌も違うし、明らかにミスキャスト。制作側の失策で余計な役をこさえて、とってつけたロマンスを織り込んで、作品の質が上がったか? 意図があったにせよ、蛇足の典型と思われる。20分ぐらい短く、壮麗な城の建設、職人と武士、夫婦愛、ここまで絞ったら、もっと良い作品になった気がする。

Bluetom2020