「アメ横のお菓子屋さん的な…」火天の城 live_at_luxorさんの映画レビュー(感想・評価)
アメ横のお菓子屋さん的な…
戦国時代を戦(いくさ)じゃない切り口で描く
歴史、お城好きにはたまらない大作。
「ラストサムライ」で武士の生き様を描いたように、
中世日本の“匠”たちにスポットを当て
その時代の人間がどう生きたかを描いています。
実際、
大工や棟梁だけでなく、石切りや山から木を切り出す人たち、
染物を作る女たちまでがスクリーンに映し出され
その心意気が垣間見えたのはとても興味深かったです。
ただ…
ストーリーが進むにつれて
編集のぶつ切りや過剰な描写が鼻につき始め
なんだか前半の重厚な職人の世界から
急にうす~い漫画的なアプローチに…
果てには
そんなアクションとラブストーリーですかぁ!?
と軽い突っ込みを入れたくなる所も。
いや残念。
重ねて残念。
こうなってくると際立って見えてきてしまうのが
キャストやCGの違和感。
CGは大人の事情で仕方ないとして、
某お笑い芸人の面々がストーリーの軽薄化に伴って
浮いて見えて来ちゃうんですよねー。
前○ンは意外と良かったのにな~。
ハリウッド映画が地味で重厚な描写に耐え切れず
お色気とユーモアと英雄色をちょちょっと足しちゃったような…。
お笑い芸人がまじめな対談をして
耐え切れなくなって徐々に笑いに走ってしまったような…。
アメ横のお菓子屋さんの
「3つで1000円、4つで1000円…」
っていう気前良いサービスのような…。
せっかくベースにある満足感が
薄らいで行く感じ。
それでもさすがの存在感のベテランメインキャスト陣に支えられ
最後まで鑑賞に堪えうる内容となっています。
それだけに
しつこく重ね重ね…
惜しい。
まぁ色々言いながらも
歴史的にも価値のある安土桃山城の背景。
一度観てみる価値は充分あると思います。
※他サイトより転載(投稿日:2009/09/14)