劇場公開日 2008年12月20日

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「ホラーより怖い、スピリチュアル・ドラマ」永遠のこどもたち カサキショーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ホラーより怖い、スピリチュアル・ドラマ

2008年11月26日

悲しい

怖い

知的

ギレルモ・デル・トロのパンス・ラビリンスを観ました。
この一作ですっかり彼に魅了され、
彼が監督ではないが製作しているということで、
この作品にも直ぐに飛びついて観る事に。
作品から受ける印象は、
パンスラビリンスに似た感じです。
が、最後の結末が与える印象は、
私にとっては真逆でした。

ラウラは孤児院で育ち、
三十年後にその屋敷を夫カルロスと買い取る。
彼等には養子で先天的なHIVの子シモンがいた。
シモンには一人遊びの癖があり、
空想の仲間が見えているかのような言動が見え始めていた。
そんなある日、シモンが忽然と姿を消す。
ラウラは必死に彼の消息を追うが、半年が過ぎた。
藁をも掴む気持ちで霊媒師の力を借り、
シモンが家にいる事がわかるが、
その霊媒師や夫までもこの屋敷を去ろうとする。
シモンが生きていることを願うラウラの母性は
最後の決戦に挑む。

この映画のオチが、しばらくピンと、来なかった。
ようやくわかり、ツジツマがあって
胸のつかえがとれたものの、その結末はあまりに悲しい。
確かに、それとわかるように
フラッシュバックのように印象的なシーンを
浮かびあがらせていたが、
私的にはシックスセンスのような結末にして欲しかった。

ある意味、
最後の衝撃の大きさは、「ミスト」と並ぶかも知れません。

カサキショー