「お父ちゃんに涙。」モンスター・ホテル ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
お父ちゃんに涙。
ロラックスおじさんの予告はイヤというほど流れるのに(爆)
今作の予告なんて、ほとんど観たことないんだよなぁ劇場で…。
日米同時公開のワリにはすごく地味。悲しいくらい目立たない。
ところがこれがまた!
こういうのに限って面白いのだ(爆)これもまた珍しい傾向ね。
なんだろう、モンスターって付くアニメは面白いのか?^^;と
思うくらいに良くできている。
ピクサーの名作、モンスターズ・インクを思い出し、確かあの
設定もこれと同じく、人間を怖がるモンスターのお話だったと。
彼らがなぜ人間を怖がるようになったのか。
その理由が今作では辛く悲しいのだが、しかしながら不幸を
前向きに捉えようと頑張るドラキュラのお父ちゃんに涙が出る。
父親にとって、一人娘はもう可愛くてたまらないのだろう。
そのあたり、普通に過保護のお父ちゃんを描ききっているので、
世のお父さんお母さん方は、隣に座っている愛娘を見据えつつ
また色々と思ったりできるわけなのだ。
家族で観るもよし、大人が一人で観るもよし、誰が誰と観ても
楽しめる一品に仕上がっている。
そして、確かに日本版で残念なのは原語版での字幕上映がなく、
吹替え版でしかお目にかかれないという寂しさがあるのだけど、
今作は侮ることなかれ!山ちゃんの独壇場!…ではあるんだけど
声優陣の見事なパフォーマンスが楽しめる佳作に仕上がっている。
アイドルやお笑い芸人を使うのが定石になりつつあるアニメ界、
そのおかげで(面白くなる作品もあれど)イメージぶち壊しも多く、
私らの様な映画ファンから何で字幕版がないんだ!!っていう
文句ばかりが罪のない劇場関係者に放たれたり(しないけど)と、
昨今ではそこがネックだったりしている。
ところが今作は(予想を裏切って)激ハマりの声優役が楽しめる。
チャラいと評判の藤森をなぜ起用したのかは観てみれば分かる。
人間は誰しも、こいつはこういう奴に違いない。というような
先入観を持つことが多いが、それを逆手にとった展開をみせ、
人間(モンスターも)の表と裏をチャラ~っと^^;結んでしまった。
テンポがよく、軽快にアクションを重ねて最後にじんわりとさせる。
物語としては平凡じゃないの。というところではあるが、
ゲームじゃないのよ人生は。子育ては。恋愛は。というところで
こういう感動を味わうのにはうってつけの作品。
テーマが単純明快で、人情愛情に満ちたアニメはやはり嬉しい。
(最近自らの姿勢を問うアニメが多くて反省しきり…頑張らないと)