エグザイル 絆のレビュー・感想・評価
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香港ノワール
「漢たち」の熱い絆にチンチンになった
最高にかっこいい男たち
エンタメ裏社会映画として文句なし
ジョニー・トー特集4本のうち、鑑賞3本目。
他作品(エレクション 黒社会、ブレーキング・ニュース)も良かったが、これは頭ひとつ抜けて面白かった。
ボスの命を狙った組員を、仲間組員たちが追う・守るの側に別れて前半が展開するが、それが一段落したのち、話がどう転がるかと思っていたらまさかの方向に進み、そこから冒頭のストーリーにまた繋げていくというプロットはとても巧妙。緊張と緩和のバランス、ハードボイルドとユーモアの塩梅などエンタメ裏社会映画として文句がない。
冒頭近くの、緊迫した室内銃撃戦から一転、双方一時休戦して和気あいあいと室内の修理を始める。あまつさえ飯をつくって全員で晩飯を食べだす一連の流れは最高。(この監督の作品、なぜか悪党のなかに必ず料理のうまい奴がいる)
なんどか映される、写真に定着された楽しげな男たちの姿が哀愁を帯びて悲しい。
いやーいい映画でした。
主演のひとり、アンソニー・ウォンの演技と渋い存在感がとてもいい。ちょうど彼が主演の最新作「白日青春」が公開中なのでこちらも観てみようと思う。
スタンドバイミーをマフィアがやる感じ
銃撃戦が舞台美術みたいで見応えある。
もっとアクション映画かと思ってたけど映像美の印象が強くて、キャラクターはそこまで記憶に残らない感じ。
シリアスな時間と幸せな時間とギャグのバランスがなんか不思議。
ちょっと笑っちゃうぐらいキザではあった。でも役者はかっこいいです。
男泣き必至の熱い映画
まるでワイルドバンチ
全てのアクション映画好き必見の傑作
昨年フィルメックスで鑑賞。われらがジョニー・トーの傑作がようやく公開。
冒頭、石畳の路地に佇むいわくありげな男たちを、スローモーションでゆるやかに捉える移動ショットだけで活劇の血がざわざわ騒ぐ。
続いてアパート内で始まる銃撃戦の演出も絶好調。戸板を遮蔽物に撃ち合う男たちの銃弾によって、蜂の巣になった戸板が蝶番から外れ宙を舞う。スローモーションでくるくると回転し続ける戸板を挟んでなおも撃ち合う男たち。かっちょえー!とかシビれてるとやにわに休戦。さっきまで撃ち合ってた男たちが協力して炊事、配膳、あまつさえ破壊された家具の修繕までして食卓を囲む可笑しさ。
敵味方が食事を共にする様子をコミカルに描いた場面は「ブレイキング・ニュース」にもあったが、和解や平安の描写として実に簡潔だ。「これ以上の切った張ったはお互い無用の血が流れるばかりだしここらで手打ちといこうや(みたいな広東語)」とか台詞を並べずとも、無言で箸を交わさせれば済むのだ。コーヒーカップに沈んでいた空薬莢をぷっと吐き出し一同が笑う場面など、映画史に残る名シーンではないのか。
ざっとこれが導入部。以降はストレート・トゥ・ヘルな破滅と銃弾のオペラへと突き進む。ある時は犯罪映画のクリシェを熱く語り、かと思えば飄々とトンデモ方向へひっくり返すトーさん映画の真骨頂。全てのアクション映画好き必見の傑作。
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