「小3の夏。少女たちの成長に泣かされる」マイマイ新子と千年の魔法 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
小3の夏。少女たちの成長に泣かされる
小学校3年生の夏、ちょっぴり成長した子供たちにホロっとしつつ、心が温まる作品だった
舞台は昭和30年代の山口県の田舎町
主人公の新子は、東京から引っ越してきた転校生の貴伊子と仲良しになり、夏休みになると、彼女たちは、近所の畑や川で遊ぶようになる
そんな彼女たちを見ていると、ゲームやスマホがなくても、外で走り回って遊んでいた自分の子供時代を思い出した
それだけで、ノスタルジーを感じて切なくなる
しかし、新子は、他の子たちとはちょっと違う
その町に、千年前にあったという都に想いを馳せ、その当時に生きていた同世代の姫と思いをリンクさせるのだ
それは、新子が大好きなおじいちゃんから話を聞いて想像した世界
千年前は、どんな生活をしていたのか、姫はどんな風に遊んでいたのか、想像するだけで、新子は楽しくなって、「千年前ごっこ」をしちゃうような子供だった
この物語は、原作者 #高樹のぶ子 の自伝的小説が元になっているらしい
ということは、高樹のぶ子さんも、子供時代には、千年前の都に想いを馳せていたということなのだろう
友達の貴伊子も言っていたけど
新子の想像力はすごいなぁ
と思った
千年前にここに何があって、どんな生活をしていたかなんて、私は考えたこともない
新子がそれほど想像力豊かだったのは、きっと、一緒に暮らしているおじいちゃんの影響なんだろうなぁと思った
そこは、現代の核家族が失ってしまったところだ
そこは、おじいちゃんやおばあちゃんたちと一緒に暮らす生活が、子供たちに良い影響を与えるんだなぁと感じさせたところだった
とはいえ、彼女たちの夏休みは、楽しいことばかりではない
出会いがあれば、別れもあり、死を身近に感じることも起きてしまう
そういう経験を通して、彼らは大人の世界を垣間見て、ちょっぴり成長するのだ
私は、そんな彼女たちの成長に泣かされてしまった
楽しいこともあれば、悲しいこともある
子供だから理解できないこともある
その中で登場する金魚のひずるは、未来への希望だ
どんなに辛いこと、悲しいことがあっても、信じて願い続ければ、神さまは、彼女たちの願いを聞いてくれるのだ
だから、きっと大丈夫
夢は大きく持とう!
昭和時代を懐かしみつつ、彼らの成長にホロっとし、最後は心が温かくなる作品だった
ほんわかした作品を観たい時におススメの作品