「重い題材だが今の時代こそ観るべきかも」BOY A こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
重い題材だが今の時代こそ観るべきかも
クリックして本文を読む
服役後の少年犯罪者。
日本ではどのようにそのケアを行っているのか、
詳しく知らないが。
この映画の舞台のイギリスほど
細やかに面倒見てはいないんじゃないかな。
観る年代によっても受け取り方も違うように思う。
純粋に主人公の目線にカブって観ていれば、
世間の冷たさや、理解してもらえない哀しさ、
主人公の純粋さに目が行くだろう。
実際、世の中のほとんどの犯罪者が
私たち、いわゆる一般人と
変わらない人間で、
ただ一歩が違うだけなんだろう。
過去の罪を必死に払拭して、
新たな人生に踏みだした人にあんまりな仕打ちが
続いて可哀想にも思えるが。
でも私の隣人だったらやはり嫌だし!
自分が太目の彼女だったとしても
許せない気がする。
犯罪被害者がもし自分だったら?
自分の家族だったら?
そう思うと、どうしても。
殺されるときの被害者の恐怖や絶望や、
将来にたくさんあったはずの夢や希望が、ちっさい幸せが、
犯罪で一瞬に奪われることを思うと、
そのあと犯人が人生に絶望したって
当然な気さえしてしまうのだ。
犯人に事情があったとしても、
それじゃあ被害者にはなんの事情もないのかと。
境遇がかわいそうならみんな犯罪に手を染めるのかと。
きっと私は了見が狭いのだろう。
でもこういった意見交換はするべきだろうと思う。
その意味でもこの映画は
いまこそ観るべき。
日々事件事故には関係ないかのように
暮らしているが、
いつでも関係者になりうることに気付く。
生きてることは綱渡りで、それだけでまず運がいいんだ。
この映画は辛いばかりではない。
少なくとも主人公の彼は、
生まれたことを嘆いて最後の行動に出てはいないと思う。
今度は誰かを幸せにしてあげてほしい。
それで彼自身も救われると思う。
コメントする