「考え込んでしまいました」ハート・ロッカー sunnydaysさんの映画レビュー(感想・評価)
考え込んでしまいました
何というか、レビューを書きづらい映画だと思います。
爆発物処理の話なのに、ほとんどドキドキしなかったし、
ストーリーも、主人公と周囲の人(軍人仲間や現地の人たち)との
間に何やかにやとあるにはあるのだけれど、取り立てて、という
ほどではないように思いました。
だから評価が低いかというと、そんなことは全くなくて。
そういう内容なのに、あるいは、だからこそなのか
戦場が日常であるということについて、そして私たちはそれを彼らに
押しつけているんじゃないかと、すごーくすごーく考えてしまいました。
もちろんドキュメンタリーではないのだけれど
おそらく同じような境遇にいるアメリカ兵の人たちがいて、
私たちはどれだけ彼らのことを思っているの?
米兵の存在によって生かされたり、傷つけられたりしながらも
受け入れるしかない現地の人たちのやりきれないような気持ちと、
またそれを感じているであろう米兵。それでも仕事をしなければならない
彼ら。
正常な精神状態でいられなくなるのも当然かなと。
「無事で帰ってきて」という、監督のアカデミー賞での言葉に納得しました。
気軽に見られる映画ではないけれど、私はほんとうに秀逸な映画だと
思います。
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