「戦争中毒」ハート・ロッカー Night with Cicadasさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争中毒
また新たな戦争の定義が誕生した…
「戦争=ドラッグ」という。
『戦場のワルツ』を見ても感じた。明らかに“戦争”が変わってきている、と。あくまでも戦争は日常の一部であって、私達の描く戦争のイメージよりも、もっと軽いのだ。
この『ハート・ロッカー』は最初から最後までほぼ戦場が舞台であり、緊迫した雰囲気が一貫して流れている。しかし、それでもどこか、見ていてわくわくしてしまったり、痛快な感情を抱いたりしてしまうのは、やはり、この映画の「戦争は麻薬である」というテーマのせいなのかもしれない。
第二次世界大戦から、武器は驚くほど発達し、戦争技術は高まるばかりだ。そして、高まれば高まるほど、戦争は間接的でゲーム感覚になっているのではないだろうか。
女性監督が作ったとは思えないハードボイルドさで、終始圧倒されてしまった。
しかしながら、この作品の持つ軽さと見易さが戦争を肯定するようにも見えて、これがアカデミー賞受賞の理由かもしれない…とも考えてしまった。
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