劇場公開日 2009年9月19日

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「アメリカのダークサイドを描いています。」正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アメリカのダークサイドを描いています。

2009年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ハリソン・フォードが初めて出演した、メジャーではないスタジオの作品。メジャーではないので配給が弱く、日本でもロードショー系の映画館ではあまり上映されないようです。

『バベル』で見られたような、異なる人たちが、同じ時間軸を異なる場所で過ごしていく描き方をしています。そして、その人々の運命は物語の結末に向けて、交差していったり、すれ違って行ったりします。原題の『CROSSING OVER』と言うのも納得です。

ハリソンが今回演じるのは、アメリカ移民税関執行局の捜査官。アメリカでは、様々な連邦政府の法執行機関がありますが、そのうちの一つです。それにしても、彼は歳をとりましたね~。物語中でも、年寄り扱いされています。不法移民を取り締まるのが彼の仕事なのですが、なぜか不法移民に甘い彼。なぜ彼が不法移民に優しいのかと言う理由は明かされません。伏線すらありません。

メジャー系の作品ではないので、有名な俳優はハリソン以外は出ていません。唯一知った顔は、ハミード・バラエリ役のクリフ・カーティス。彼は、決してイスラム系の人ではないんですが、役柄的にはイスラム系民族の役柄が多いですね。今回も、そう言う役柄でした。

9.11以降のテロに怯えるアメリカ、様々な民族を受け入れて拡大していくアメリカ、隣国からの流入不法移民が普通にいるアメリカ・・・。今のアメリカを素直に浮き彫りにしています。いろんなドラマが物語上起こりますが、描いているのは超大国アメリカのダークサイドなので、盛り上がると言う感じではありません。見ていて「それで良いのか、アメリカ?!」と言う気持ちにもなりました。

勝手な評論家