「難しいテーマ」正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
難しいテーマ
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ハリソンフォードは不法就労を取り締まる捜査官、相棒のハミド(クリフ・カーティス)は帰化したイラン人でもあります。
映画はメキシコからの不法就労の母子や危険人物とみなされるバングラデシュからの移民家族、グリーンカード(永住・就労)取得の為に判定官と寝るオーストラリアの女優の卵、ユダヤ人学校に伝手を頼り熱心な教徒を偽る英国青年、犯罪に手を染める韓国移民2世の少年、収容所に取り残されたナイジェリアの少女など合法、非合法に関わらず移民にまつわるエピーソードを散りばめた社会派ドラマ。相棒のハミドの妹の殺人事件なども加えてミステリー要素も足していました。
監督のウェイン・クレイマーさんは脚本・製作も兼ね移民に大変な思い入れ、自身も南アフリカ出身とか、硬派な社会派ドラマなのに恥じらいも無いヌードシーンに驚いたが、これはクレイマー監督の拘りでアメリカ映画協会のR指定にもの申したい作風、自己主張らしいです。
原住民で無い限りアメリカはそもそも移民の国、従って不当な差別や拘束の現実は後ろめたいのか妙に人道的な捜査官を描いています。法治国家ではあるものの執行する人間の個人資質に依りすぎた恣意的判断は賛否が微妙ですね。
一昔前ならアメリカン・ドリームもあったかもしれませんが、いまや幻想でしょう。ただ、移民、難民の問題は立場によっても変るでしょうし、1時間や2時間で語れる軽い話では無いので難しいテーマであることは確かですね。
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