「女性の、しなやかな「したたかさ」」ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ めぐ吉さんの映画レビュー(感想・評価)
女性の、しなやかな「したたかさ」
これはもう、松たか子さんが素晴らしい!の一言につきます。
松さん演じる、妻のサチ。
一見おとなしそうで、出来の良い妻ではありますが、
「したたかだよなーーー」(あくまで良い意味で、です)と思う点も多々。
大谷との出会いのエピソードにしても、
金を取り返しに来た酒屋の夫婦の話に思わず笑ってしまうところにしても、
さらには、借金の代わりにその店で勝手に働き出し、
すっかり人気者になってしまうところにしても。
でも、そうゆうしたたかさがなければ、
ただ夫の横暴をガマンしている、不憫で哀れな女になってしまうはず。
かといってやりすぎれば、ただのはすっぱな女になってしまう、、、
その辺りの微妙なさじ加減を、さらりとカラリと、
「はからずもしたたか」な女を演じています。
ふと、以前、たしか『有頂天ホテル』のときに、
監督の三谷幸喜さんが、
松さんについての感想をこんな風に言っていたのを思い出しました。
いわく、
「松したたか子」…
そんな、たぶん「ナチュラルしたたか」が生きていたのでしょう(これも、良い意味で)。
コメントする