「心ある時代。」ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
心ある時代。
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第33回モントリオール世界映画祭で監督賞を受賞。
となれば期待が高まり、皆さん観に行くんだろうな~と^^;
やはり館内は混んでいた。
特に太宰ファンでもない自分は、こういう男イヤだな(爆)
としか思えないのだが^^;でもこういう男にはこういう女が
しっかりと!付いて、支えてくれるものでもある。
夫婦って面白いと、時代的に人間の心が豊かだったと、
そういった風情を大いに楽しめる作品だったと思う。
役者たちは皆、粒揃いで芸達者。
なので彼らを観ている分にはとても安心感があったが、
この根岸吉太郎はそれぞれの女性の撮り方が巧い。
とりわけ驚いたのがヒロインを抜いて広末涼子の演技。
何に出ても浮きまくり(爆)どこまでやっても少女っぽさが
抜けない上、なぜか落ち着いた淑女役の多い彼女だが、
今回の愛人役は「アタリ」だな、と感じた。悪役昇華。。
松が演じる妻とは対照的な性格となるが、どちらも巧くて
さらには室井滋なども絡んできて、とても観応えがあった。
この才能ある大谷という作家バカ(すいません^^;)や
口先だけのエロ弁護士(堤真一)や、良く分からない工員
(妻夫木聡)らに慕われまくる、大谷の妻なのだが、
どこかあっけらかんとして女を感じさせる艶っぽさがある。
情けない男たちは、こういう女を好きになるのだろうし、
女も男を支えることが喜びなのだから相思相愛となる。
誰が何を言おうとも。の世界なのだ^^;
全体的に落ち着いたトーンの懐かしさが味わえる作品。
(今では赦しも癒しも得られぬ男女の世界。いざ昭和へ?)
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