「フル・ムーン・ナイト」ウルフマン bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
フル・ムーン・ナイト
ドラキュラやフランケン・シュタインと並ぶ、古典的な3大西洋モンスターの一角を担う、狼男をモチーフにしたモンスター・ホラー。満月の夜になると、筋肉が異常に盛り上がり、鋭い牙や爪が生え、鋭い目は獲物を狙って爛々と輝く、誰もが知るモンスター。
これまでにも狼男の作品は、数多く製作されてきており、あのジャック・ニコルソンも演じていた。本作では、名優アンソニー・ホプキンスとベニチオ・デル・トロのコンビが親子役で出演し、モンスターの恐怖やグロさの中に、その親子の確執や愛憎劇も盛り込んだ作品に仕上げている。
舞台となるのは、19世紀のダークな雰囲気が漂うイギリス。兄が、突如として行方不明となり、早々に無惨な死体と発見される。その死体は、とてつもない猛獣の仕業としか思えない惨憺たる姿となっていた。人気俳優である弟のローレンスは、兄を殺した犯人の捜査に乗り出すが、その最中、狼男の返り討ちとなって、自らも狼男へと変貌してしまう。
それでも兄を殺した操作を続ける中で、ローレンスを襲った狼男の正体が、次第に明らかになっていく。それは、ローレンスが幼かった時に、母を殺した真犯人ともつながりを見せ、驚愕な真実へと結びついていく。
本作では、アンソニーやベルチオが中心人物として演じているが、最近、自分の推しのエミリー・ブラントがヒロイン役で出演していたのは、嬉してオマケだった。しかし、こうしたモンスター・ホラーの定番ともいえる、モンスターとなった者の哀愁や絶望という点が、今ひとつ描かれてなく、物足りなさは感じた。
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