リミッツ・オブ・コントロールのレビュー・感想・評価
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「想像力とスキルを使え、主観でもかまわない」 これは、劇中だけでな...
「想像力とスキルを使え、主観でもかまわない」
これは、劇中だけでなく見ている人たちにも語りかけている。
カフェに座ってると、どこからともなく現れた人とマッチ箱を交換して、箱の紙切れを見る。
見たら頼んでいた2杯のエスプレッソで飲み込む。
渡された地図もマッチで燃やす。
やっているのはこれだけ。最低限のセリフだけで、指令を淡々とこなす姿には隙がない。ホントはスペイン語分かっているのではないか!
メタファーがあちこちに散りばめられている。
美術館の絵。
2杯のエスプレッソ。
フラメンコの歌詞。
携帯を嫌う。
カフェの会話(音楽・映画・科学)
「想像力とスキルを使え、主観でもかまわない」
これを試されている映画なのでは、と思う。
好き嫌いが分かれそう。疲れてる時は見たくないが、知的欲求の時は楽しめると思う。
まどろみの中で
映画らしい映画。
映画の為の映画、とでもいうべきか。
とにかく解りづらい。
「難解」と言ってしまえばそれまでだが、その単語だけで表すには申し訳ない映画な気がする。
解らないからこそ、観てしまう。
何か起きるのではないないか、次のシーンは、次のシーンは、と追っていくものの何も起きずに終わってしまう。
最後まで一定のテンションを引きずり、観客を置いてけぼりにし続ける。
しかし、それを許容できるほど、美しいシーンがたくさんある。
よくわからないけれど、なんか良いかもしれないと思わせる映画だ。
映画館で高い金を払って睡魔と闘いながら、無理にでも観るべき映画だと思った。
心地良い中毒性
ジャームッシュ作品には心地良い中毒性がある。見終わった瞬間はそうでもないが、数日後にジワジワと思い出し、無性にもう1度観たくなるのだ。本作は初めてアメリカを飛び出し、オールスペインロケ、そして主人公が殺し屋という、一見ジャームッシュらしからぬ顔をしている。しかし、“孤独な男”というコードネームを持つ殺し屋が、様々なメッセンジャーに会うべく、スペイン中を彷徨するロードムービーであること、ハードボイルドとはいえど、どこかオフビートな感覚、そして繰り返されるバリエーション。紛れもないジャームッシュの世界だ。殺人シーンはあるものの、大きなアクションは皆無。殺し屋はメッセンジャーをひたすら「待つ」。この静寂と孤独。そこに接触するメッセンジャーの非現実的なキャラクターが、何とも言いがたい「味」がある。繰り返されるセリフが複線となり、最後にピッチリパズルのはまる爽快感。任務を終えた殺し屋が日常に戻る瞬間、我々も日常に戻る。スタイリッシュな映像から引き戻される。その感覚が妙に心地良い・・・。
かつてのわかりやすさが
ジム・ジャームッシュ監督の作品を初めて見たころの感動が味わえませんでした。画面のざらざらした感じと、わかりにくいところがあっても、ストーリーが頭に残るといった素敵な映画をたくさん撮っている監督だけに、期待して見に行ったのですが、なんだかよくわからないまま盛り上がりもメッセージもなく終わってしまいました。
ジャームッシュらしい
映画もどきが多いなか、こういうのは映画を観たなあという気になれる作品。何でも頭で理解したがる人には不向きですが、映画世界に身を委ねたい人にはお薦め。五感を自由に遊ばせてください。
不思議な
必要以上の説明もなく、淡々としていて、カメラワークや情景に凝っていて、そして観るものの想像にあらゆることを委ねたアーティスティックな作品
眠くならなかったのが不思議
それだけ魅力があるんだけど想像力の乏しい自分には意味不明。
呼吸を合わせて
ジャームッシュの“映画らしい映画”でした。
彼の映画ではストーリーは一側面でしかなく、その他の側面であるアングル、セリフ、呼吸、あるいは風景といったものにこそ本当の面白さがあります。
単純な『物語』としての映画ではなく、シーンの連続としての映画である点が、私はとても好きです。
本作はこの傾向が強く見られ、ストーリーとして面白さを見い出せない人も多いかも知れません。
そんな時には、主演のバンコレが日々の日課としている呼吸法に合わせて呼吸をしてみて下さい。
どこかに理由や価値、意義を求めていた頭から言葉が丁寧に除かれて、
あなたを夢の中に引き込んでくれるはずです。
人生には何の価値もない、のか?
★
ジム・ジャームッシュ監督の作品は初めてでしょうか。
今までもこのようなアーティスティックなというか、意味不明というか、
説明が皆無で鑑賞者の想像力に全てを委ねるような作風なんでしょうか。
何かあるのか、何かあるのかと、
どうなるんだと思いながら観ていた僕には拍子抜けでもあるが、
全く眠くなるようなこともなかったのが不思議な作品でもある。
意味なんて求めてはいけないのかもしれない。
主人公は何故エスプレッソを2杯頼むのか。
携帯も銃も嫌いで、仕事中はセックスもしない。
何故なのか、想像するしかない。
途中で何度か着替えるビシッとキメたスーツの色の違いは何なのか。
伝言の受け渡しにどうしてマッチ箱を使うのか。
そのマッチ箱に入っている意味のなさそうな暗号が記されたメモを
エスプレッソで何故に飲み込んでしまうのか。
部屋に来る女は何故にずっと裸なのか。
どうして、あの女は捕らえられ、
あの女は唐突に現れては消え、死んでしまうのか。
どうして、あの厳重な警備を抜けたのか。
想像力と言われて、納得できなくても、納得してしまいそうになる。
哲学的なセリフの数々にも意味があるようで、何もないのかもしれない。
人生には何の価値もないというセリフがあるように、
この作品にも価値も意味もないのかもしれないし、
冒頭とラストのメッセージを表現しただけの作品かもしれない。
主人公が足繁く通う美術館で最後に観る作品が一番重要で、
あなたの人生はこの作品のようなもんだよ、ということなのかもしれない。
難しいな。
★
想像力が人間の頭脳のコントロールの限界を超えたら?そんな無謀な挑戦を、こともあろうに観客に突きつけた作品。
想像力が人間の頭脳のコントロールの限界を超えたらどうなるか?
そんな無謀な挑戦を、こともあろうに観客に突きつけた作品。従って、史上最高の難解な作品。試写会でも?やあくびやざわめきが飛び交っていました。
撮影しながら、思いつきでセリフを決めていったと言うから、無理もないことでしょう。
よーく見ていると、主人公は無口な殺し屋らしい。何となくジャイアント馬場に似ています。そして主人公は寡黙な上、何しろセリフが極端になく、冒頭の依頼者からの依頼ですら、抽象的なので、何をどう依頼したのか、分かりづらいのです。
スペインに到着して、暇をもてあました男は、趣味としてらしい美術館へ画を見学に行きます。不思議なのは、展示されている絵画と同じことが、主人公に起こっていくのです。従って、このあと描かれている様々なシーンが、現実なのか、男の空想なのかすらはっきりしません。
例えば裸婦の絵画をじっくり鑑賞したあと宿に帰ってみたら、絵画と同じ構図で美女がハダカで寝そべっていたのです。
でも男は仕事中は、セックスしないことにしていると言ってのけ、据え膳を喰おうとしません。他には、携帯を使わないこと、殺し屋なのに拳銃を使わないことなど、ルールにしているようでした。
男への依頼は断片的。どこへ行けとか指定のものを持つ人物に合えとかそれだけの限られた情報しか与えられません。
待つだけの男は、いつも近所のカフェで、2杯まとめてエスプレッソを注文するのが日課でした。
依頼者の代理人がコンタクトしてくるとき、必ず黒いヘリコプターが近所に舞い降ります。そして代理人が変わっても、カフェにいる男に近づいて、スペイン語が話せるかと聞き、お互いのマッチ箱を交換して立ち去るパターンばかり。
男に渡されるマッチ箱には、意味不明のメッセージが。男が渡すマッチ箱には、時々ダイヤモンドの粒が入っていました。黙々とマッチ箱を交換していく旅路の中には、工藤夕貴も登場。何か特別なことをするでもなく、マッチ箱を交換しただけ。但し、分子の不思議を述べてみたり、日本語で宇宙の真理を語ったり、意味不明な言動を行います。
毎シーン代理人が変わっても、同じパターンが繰り返されるし、その行動の意味が全然明かされないので、いい加減飽きが来て、途中寝込みました。
男は、スペイン中を指示されたとおり、転々として、やっと具体的な殺人の依頼に遭遇します。でも、ターゲットの部屋に音もなく、厳重な警備のスタッフに全く気付かれなく、突如潜入してしまうのは唐突。これも現実のようで空想世界の可能性があります。
結局、人ひとり殺して終わりという映画でした。もしこれがアクションやサスペンス映画ならものすごく単調なストーリーなんです。
出鼻から、何が起きそうだと、さんざん期待されておいて、結局これだけかよ~、という展開には、腹立たしさも通り越えて、あ~あ!と脱力感に包まれて強いました。
あなたは、この作品を理解できるでしょうか?
yahoo映画レビューで高得点なのが、信じられません(^_^;)
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