劇場公開日 2009年6月27日

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ディア・ドクターのレビュー・感想・評価

全72件中、41~60件目を表示

4.0なかなかです!

2016年10月16日
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最初の方はやや混乱しましたが
後半はパズルピースが次々とはまっていき、気持ちのよくありながらも不思議な気持ちです。

西川監督は頭の良い方なんだなと思いました。

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@crimson_1216

2.5目新しい話ではないかな

2016年8月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

「常識的には悪事だけど実はやさしさに溢れてる」的な話は色んなところで見たことある話ですからねぇ。

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ジンクス

3.5「親愛なるお医者さん」の失敗

2016年1月2日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

年をとり弱ってきたときには、頼りになる人が身近にいるのが良いのである。この物語では、限界に近い集落で、主人公が地域住民の「親愛なるお医者さん」を演じ、身近な頼りになる人という役割を担っていた。しかし、最終的にはそれをまっとうすることができなくなってしまう。
この意味するところは何か。身近な頼りになる人の役割が医者に重心が置かれすぎてしまうと、重圧が大きく、支えきれないということなのだろう。そんな失敗談を物語にしたという印象を受けた。

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Roy60Jin

5.0"偽"であっても、"贋"だけなのかな…?

2015年9月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

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平田 一

3.5『ディア・ドクター』

2015年1月1日
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泣ける

笑える

楽しい

松重豊と瑛太の味わい深い演技がイイ。
国宝の宝塚、八千草薫は圧巻。

人の価値観は自己満なのか金なのか、それとも愛なのか。
10÷10=1じゃない、割り切れない余りが人生であっても良い、そんな気にさせられた映画。

あと西川美和映画は乗り物横切るシーンで切ない気持ちになる。

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リッキー Rickie

3.5愛ある嘘つき

2014年12月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

楽しい

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ミツマメ

3.5丁寧で繊細

2014年10月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

美しい映像と音楽。話の進み方や役者さんの演技に違和感なく感情移入できる。だからといってつまらないとか眠たくなるとかはならない西川美和さん作品の不思議。

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ミワ

4.0良い映画

2013年10月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

知的

この映画、極めて静かな知性によって描かれているようだ。喧噪のない世界でありながら、それぞれの声が甚く響く。登場人物の背景などに言葉を労する必要はないのであろう。静かな語りのなかに、それぞれの声が聞こえてくる。
笑福亭鶴瓶扮する伊野が投げ捨てた「白衣」は、それまでの「嘘」を意味していたばかりではなく、少しでも生き存えてもらいたいという「希望」でもあった。
看護師の大竹が、薬卸の斎門が、そして鳥飼が望んでいたものは、「希望としての嘘」であった。
そのため、最後のシーンの八千草薫演じる鳥飼の表情は、あらためて「先なき希望」を確認した表情が、そこには見て取れるのだ。
とにかく西川美和監督のこの作品は必見。

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Macfan0102

4.0ポータブルDVDにゆる地下鉄内レビュー

2013年9月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

知的

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マーク・レスター

4.5何度も観ました

2013年6月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

まずテンポがいいです

これは映画として非常に重要です
次に単純に映画として面白いです

ラスト泣きました

これは愛の映画です

鶴瓶は本当に役に恵まれましたね

あと題名から勘違いしやすいような、
別にいい医者が診療して回るだけの単純なお涙ちょうだいのバカ映画じゃありません

これは評価を高くつけるべき映画です
絶えず作品じたいは俯瞰で何がどうとかいうメッセージ性をわざと排除し、
セリフも説明くさい物や暑苦しいメッセージ性無しなんですけど何かが優しくあなたに伝わるはずです

映画として面白い

愛を感じる

ラスト泣ける

テンポがいい

鶴瓶は本当に役に恵まれましたね

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猫にゃんこ

5.0瑛太は、7分丈のTシャツ&ズボンが似会うなぁ

2013年5月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

ずっと観たかった作品。
この期待を超えて、グっとくる良い作品。
もう1度じっくり観たい作品。

鶴瓶さんは、本当にうまいなぁ。
生まれ変わるなら、鶴瓶になりたいな。(もしくは、さまぁ~ず三村。)

鶴瓶さんは、人の話を聞き出すのが、とてもうまい。
鶴瓶と話していたら、自分がとても面白い人になった気がしそう。
理想の上司、理想のお父さんだなぁ。
なんなら、鶴瓶さんに総理大臣になってほしい。
コミュ力・判断力に調整力もあり、適任では?

こんなお医者さんいたらよいなぁ。
もちろん医師免許がなく、医師を語るのは許せることではありません。
でも、免許があっても対人能力がなかったりするよりは、
対高齢者には特に、しっかり話を聞いてくれるお医者さんが
いるだけでも、無医村よりよっぽど良い気がする。

瑛太も良いなぁ。はずれがないかんじ。
7分丈のTシャツとズボンが似会うなぁ。
(私的セクシー瑛太は『アンフェア』の役だけど・・・)

余貴美子、香川照之、八千草薫、松重豊と、これでもかってくらいの芸達者な面々。
最近の香川照之の使われ方は、うまい演技をしてくれという要求に応えているからか
鼻につくことが多いけど、今回はスーっと入ってきた。
八千草薫は“こんなおばあちゃんになりたいNo.1”です。

井川遥もすっかり演技派に変身してきましたね(無造作髪アップが素敵)。

もし私が老年になってガンがわかったら、入院せず余生を過ごしたいなぁ。
でも、もし娘が医者だったら、もし家族に入院してほしいといわれたら、
無視はできないし、つらいだろうなぁ。

娘(井川遥)があの村の医者になれば、母(八千草薫)も余生を満喫し、
村人も安泰だと思うんだけど、そううまくはいかないのかなぁ。

お話もテンポよく進み、ひきこまれる。
前作の『ゆれる』も良い作品だけど、ドロっとしたかんじが苦手だった。
でも、こちらはバランスがとても好き。
TVで野球を一緒に観るシーン、アイスが溶けてくところなどなど、絶妙。
西川監督は若くてきれいでおしゃれで、こんな作品つくっちゃうなんて、すごいなぁ。

ラストシーンは賛否両論かもしれないけど、私は好きです。

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maricobabylon

3.0想像してたのとかなり違った

2012年9月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

タイトルの「ディアドクター」
そのディアーは村人から嘘医者への言葉なんやと
想像しながら見ていた。

結果は大はずれで嘘医者が本当の医者への憧れみたいな
意味のディアーだと思った。
(実際のところ僕もよくわからないが)

けど、最後はそこ(村人からの感謝)で落とさないと
お話としては成立しないような気がしました。

内容を簡単に書けば一行なんやもん・・・

「嘘医者がいて、ばれて逃げました」

ちがうやろ・・・・

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きば

4.5ネタバレせずに見たかった

2011年12月8日
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鑑賞方法:映画館

笑福亭鶴瓶の秘密を何かで知ってしまって軽く流布されているくらいだから大した問題ではないのかと思ったらかなり重大な秘密で中盤にそれが明らかになることでびっくりできなった。物語がミステリー仕立ての構成でとても重要なことだった。全てを忘れてもう一度見返したい。八千草薫の萌えおばあちゃんぶりがすごかった。間と空間の演出がとてもどうどうとしていた。

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吉泉知彦

4.0心配が、いちばん毒ですから

2011年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

難しい

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shimo

4.5鶴瓶さんがハマる!

2010年2月28日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

幸せ

昨日、鶴瓶さんの落語会へ行き、おおいに笑かしてもらいました。
会の中で「おとうと」「母べぇ」そして、「ディア・ドクター」の撮影秘話をネタを織り込みつつ話されていたのに触発されて即「ディア」レンタル。

ストーリーは各マスコミで宣伝されていた情報で膨らました想像で十分補える内容という感じでした、配役がとってもいい感じだったと思いました。

私は、ラストの5秒たらずで涙が吹き出したのですが、それは主人公の伊野(鶴瓶さん)の人としての優しさがかりそめにも本物だと感じたからで、鶴瓶さんの人柄があってこそのラストであったと思いました。

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NONNO

4.0感動する作品ではない。

2010年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

だけど、見終わった後に、「いい映画だったな」とそう思える作品です。
私がこの映画を観たのは、ヨコハマ映画祭です。
優秀作品賞に選ばれたので、どんな作品かとワクワクしていました。
ヨコハマ映画祭では、他に「のんちゃんのり弁当」と「強く風が吹いている」も観ましたが「ディア・ドクター」一番完成度の高い作品だと思いました。

一番感心したのは、主人公・伊野を演じた鶴瓶師匠。
田舎の牧歌的な風景に、鶴瓶師匠の雰囲気が非常によく融合しています。
だからと言って、ゆる~い作品ではなく、脇を実力派俳優で固めているので、作品がぐっと引き締まっていました。

物語は淡々と進んでいきますが、少しづつ登場人物の心情が見えてきます。
この見せ方が見事な作品だと思います。

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堺雅子

4.5その嘘は、罪ですか。

2010年2月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

山あいの小さな村。

その村で唯一の医者として慕われていた医師が突然謎の失踪を遂げた。警察がやってきて捜査が始まるが、村人達は自分達が慕ってきたその男の素性を何一つ知らなかった。

遡ること2ヶ月前。

研修医の相馬がこの村に赴任した。コンビニ一つなく、住民の半分は高齢者という過疎地。そこで相馬は村人達から慕われ、頼りにされている伊野という勤務医に出会い、次第に彼の献身的な働きに感化され、一緒に働くうちに都会では感じたことのない充実感を覚え始める。

『ゆれる』と同じ、観終わった後にすごく色々なこと考えさせられる映画でした。正直に言うととても曖昧な映画でもあります。多くは語らず、無駄な説明は一切せず、いろいろなことが曖昧のまま、あとはすべて観客に委ねられる。そんな映画です。

映画は研修医・相馬が赴任した2ヶ月前と、村の唯一の医師が失踪した現在とか交差して描かれ、そして少しずつ真相に迫っていきます。

何が正しくて何が正しくないのか。

何が善で何が悪なのか。

人間には、世の中には、単純に白黒つけられないことが沢山ある。

誰の心の中にも善と悪が共存している。

数年前まで無医村だった僻地。そこで「神様、仏様よりも先生の方が頼り」と慕われてきた伊野。

伊野は村中の人たちから慕われれば慕われるほど、頼りにされればされるほど、喜び以上の苦しみや葛藤あったのではないだろうか?

自分はそんな偉い人間ではない。

人は皆、誰かに必要とされたり、頼りにされたり、評価されたりしたらうれしいと感じるものだと思います。そしてその思いは伊野にも間違いなくあったはず。

だけどそれと同時に、自分の実力以上の評価をされてしまっていることに居心地の悪さや不安、そして大きなプレッシャーをも抱えていたのではないだろうか?感謝されればされるほど、逆に劣等感や葛藤を抱えることになっていたのではないだろうか?

伊野をこの村に呼び寄せたのは村長。

わかっていることはそれだけ。だから伊野がどういう経緯で僻地医療に携わることにしたのか、どういう思いでこの村にやってきたのか、ということは全くわかりません。最初は本当に軽い気持ちだったのかもしれないし、彼自身、そんなに長くここで医師を続けるつもりもなかったのだと思う。むしろ、そんなに長く続けられるわけがないとすら思っていたかもしれない。

けれども自分の予想とは裏腹に村人たちから絶大な信頼を得てしまい、「ずるずる居残ってしまった」伊野。夜に必死で勉強する姿は、自分を守る為でもあったのだろうけれども、それ以上に村人達が抱いている通りの本当のいい医者になりたいという気持ちがあったのかもしれない。彼の父のように。ペンライトには、劣等感や憧れなど様々な思いが込められているように思いました。

伊野はこのままではいけないという思いが常に心の中にあったはず。ただきっかけと勇気がなかった。そのきっかけが、かづ子が娘に突き通したかった「嘘」だったのだろう。かづ子の希望を聞き、その「嘘」に付き合うことにした伊野。しかしかづ子の希望を叶える為についたその「嘘」が齎す大きさに気づいてしまったからこそ、白衣を捨てる決心ができたのだと。

看護師の大竹や営業マン斎門は、伊野の秘密を知っていたはず。もしかしたらかづ子も気づいていたかもしれない。それでも気づかないフリをしていたのは何故か。それは彼がつく嘘を一緒に突き通したいという気持ちがあったからなのだと思う。

大きな嘘をつかれていた側の心理描写も上手い。

特に相馬の態度の変化。あれだけ絶賛していた伊野について刑事に語る彼は、別人かと思うほどの冷酷さを見せる。その相馬の裏切りにも見える姿は保身や狡賢さであると同時に、彼が心に負った哀しみでもあったのではないだろうか。

駅のシーンで終わりかと思いきや、まだ続きがありました。ある意味この終わり方は西川監督っぽくない感もありましたが、このラストにしたことで観客に解釈をしやすくしてくれたのかな。

この映画は『ゆれる 』で予想をはるかに越える高評価を得たことで、映画監督というポジションにいる自分への違和感や戸惑い、据わり心地の悪さを抱いた西川監督自信の物語なんだそうです。いかにも本物っぽい顔で働きながら、実は拠り所のない不安を抱えている人。みんながなるべくして今の自分になったとは限らない。西川監督が描こうとしたのはそんな曖昧な「贋物」。

その贋物は罪なのか?

本物よりも大切な贋物があってもいいんじゃないか。

贋物が本物にあることだってきっとある。

『ゆれる 』を観た後同様、今回もまた観客に解釈を委ねているので、鑑賞後はすごくいろいろ考えさせられる作品でした。

それから鶴瓶が主役ってどうなの?とちょっと思っていたのですが、これが伊野にぴったりはまっていてすごくよかったですよ。「笑福亭鶴瓶という人間は全部消えて、伊野治という人だけがスクリーンに映っている-そんな主役でありたいという思いがあった」と語るその通り、スクリーンには鶴瓶はおらず、伊野だけがいました。

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masako

1.5メリハリに欠け、期待外れ。

2010年1月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

単純

「蛇イチゴ」「ゆれる」の西川美和監督作品で期待するも、期待は裏切られる。ストーリーにメリハリがなく、鶴瓶の演技にも? 印象的なのは、品がある八千草薫ぐらいか。

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ルイス

5.0鶴瓶を偽善者に配したキャスティングの勝利

2009年12月20日
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鑑賞方法:映画館

観終わったあとにグッと手応えを感じた。こういう映画を観るために映画が好きになった、などとオーバーに思うくらい、邦画と洋画の区別なく、2009年ナンバーワンの秀作だ。またこの作品、鶴瓶という特異な経歴のテレビ・タレントを配していなければ、これほどの秀作にならなかったかもしれない、とも思う。

 私は高校卒業まで関西で暮らしていたのだが、その頃にラジオパーソナリティとして関西の若者に絶大な人気を博していたのが、この映画の主役を演じた笑福亭鶴瓶だった。なぜ人気が高かったかというと、素人をいじるのが上手く、しかも口角泡を飛ばさんばかりに悪態をつく声が若者たちの共感を呼んだからだ。ところが、その人気者が東京に進出した途端、その悪態ぶりがだんだんと薄れていって、老人たちをいじるのがうまいタレントになっていった。昔を知っている者からすると、今の鶴瓶は偽善者そのものにしか見えてこないのだ。

 その鶴瓶が、偽善の極致と言うべきかもしれないニセ医者役を演じたのは、当然の流れだったのだう。が、その偽善者が偽善を演じてみるからこそ、恐ろしいほどのリアリティーが出てきたことまでは、ひょっとすると演出した西川監督も予想外だったかもしれない。

 この作品の大きな見どころは、ニセ医者が偽モノを演じなければならない苦悩だ。特に、自分がニセとは言えずに八千草薫演じる病気のおばあちゃんとかかわるシーンは、観客はスリリングでありながら心の温もりを感じる、見事な鶴瓶と八千草の演技と西川監督の演出ぶりだった。特に、鶴瓶は、テレビで偽善者をやっているかゆえの苦悩をもつ自分自身を演じているようだった。テレビで育んだ偽善者たる者でないとできないリアリティーさではなかったかと思う。

 テレビというのは偽善でなりたっているのだから、鶴瓶が関西の人気者だった姿のままを通していたら、今ほどのタレントにはなっていなかっただろう。そのテレビに自分を合わせていった鶴瓶を、ここで散々こきおろしたかのように感じたかもしれないが、テレビに合わせていけるかどうかというのも、また芸能人の才能だ。鶴瓶は、その才能が高いタレントであるのだから、偽善者というのは、この場合のみ、私はほめ言葉だと思っている。

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こもねこ

5.0人間、医療の複雑さが描けている

2009年10月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

人間、医療の複雑さと多様さがよく描けている脚本、映画でした
おすすめの1本です
私の今年のベストいくつかに確実に入ると思います
西川監督の手腕に再び感服しています
脚本、編集と演技(演出)のうまさから2時間余の時間があっという間に経過しました

一方でよくわからないという人がいるのも少し理解できます
監督は説明的なせりふをあえて少しだけ少なめにしてあいまいさをあえて残しているので、題材に身近な経験がない年齢が若い人にはわかりにくいこともあるのでしょう それはそれで複雑さ、あいまいさをあえて表現したのだと考えています

私は医療人ですので「嘘」の内容は2つとも予告編を見たときの予想通りでしたが、編集のうまさと医療現場のきめ細かい表現のうまさで違和感なく映画を堪能できました

監督の次回作にも期待したいと思います

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えいが好き