ウェディング・ベルを鳴らせ!のレビュー・感想・評価
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【ウンザ!ウンザ!。エミール・クストリッツァ監督が、純朴な少年に次々と降りかかる大騒動をバイタリティいっぱいに描くハッピーコメディ作品。】
■セルビアの山奥で暮らす祖父と少年・ツァーネ。
祖父は隣人の女教師から熱烈な求婚を受けていた。
ある日ツァーネは、街へ行って牛を売り3つの事
<1.牛を売って聖ニコラスのイコンを買う事。
2.好きな土産を買う事。
3.花嫁を貰う事。>
を約束するよう祖父に言われ、出かけていくが、そこで女学生のヤスナに一目惚れをしてしまう。
◆感想
・エミール・クストリッツァ監督監督作は、近年のドキュメンタリーも含め、「パパは出張中」以外は鑑賞したと思っていたが、マダマダ未観賞作品があり、楽しく鑑賞。
・エミール・クストリッツァ監督は「アンダーグラウンド」で強烈なメッセージを発した通り、自身を今はなきユーゴスラビア人と呼称している。
<今作は、そんな監督の思いの中、比較的政治的要素の無いコミカル映画になっている。
だが、監督の持ち味である生命力溢れる作品である。
少年がヤスナに恋をし、それが実る過程は良かったな。>
これぞ肉食人種の結婚狂奏曲
破天荒な寓話風のコメディでした。
一見今はやりの婚活コメディのようですが、
実際はエミール・クストリッツァ監督作品ですから
ほんとうは奥の深いメッセージが隠された作品なのでしょう。
でも、私の興味は婚活コメディに向ってしまいました。
たまたまその日
作家の渡辺淳一が「欲情の作法」という本について語っていたのを
TVで見たのですが、
彼のようなおじいさんに、日本人は草食人間だらけだから、
肉食人間になる作法を教えてあげると言われても、ちょっと、ね。
それ以前に、
この映画を見ると、日本人と欧米人には
性に対する根本的な差があるような気がしました。
この映画を見れば、欧米人は肉食獣どころか、猛禽類なのだ
と言う事がイヤと言うほどわかるのです。
だって、この映画の主人公はたかだか12歳だというのに、
もお、嫁さん探しの旅に出るのですから。
そして最後は数歳年上の嫁さんと結ばれるのです、
ご丁寧に漫画チックにではあるけれど、
それを連想させるシーンまであるのですから。
そして、それを誰もが当たり前のことのように、
受け入れているのです。
兎に角元気が出てくる精力剤のような映画です。
萎えた心を奮い立たせる為に、是非観てくださいませ。
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