「南極という異世界」ホワイトアウト R41さんの映画レビュー(感想・評価)
南極という異世界
南極という異世界がこの物語をよりミステリアスにしてくれているようだ。
主役のケイトの美しさを見せつけるように始まるこの物語は、南極の神秘的な美しさに呼応するかのようであり、逆に僻地ならではの厳しさと、トラウマを抱えたケイトにも呼応するようだ。
このケイトが凍傷によって指を二本失うというショッキングな出来事が、僻地で起こる悲惨な出来事を暗示し、また逆に主人公の過去からの脱出の機会を提示する。
そしてここで起きた出来事の真相を探るケイトがたどり着いた先には、またしても過去と同じように、信頼していた人物の裏切りがあった。
ドクターが薄着のまま嵐の中へ出ていくが、なぜドアを締めないのだ思うのは日本人だけだろうか? あのシーンの意味について考えると、人種的な感変え方の差を感じた。
題名であるホワイトアウト… 映画の冒頭でドクターのセリフにあるそのままの意味、そして自分自身を見失いつつも僻地への異動を志願した主人公、人生を見失ったドクター、基軸がそこにありつつロシア機の中で起きた出来事と墜落、積荷を追う謎の人物、信用するにはまだ何か足りない国連に派遣された男…
犯人を追い詰めていく主人公… 最期までホワイトアウトだったのはドクターだった…
基本的セオリーが整った作品で面白かった。
個人的意見は、カタルシスを感じるには、もっと納得できる動機が必要かなと思った。
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