劇場公開日 2008年8月30日

「須賀健太君の演技がいい」死にぞこないの青 masakoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5須賀健太君の演技がいい

2008年10月16日

泣ける

悲しい

ともかくこの映画は須賀健太君の演技にかかってます。マサオが健太で本当正解、大正解。表情だけで表現するのが難しかったというマサオ役ですが、言葉がなくてもきちんと表情でマサオの気持ちは伝わってきました。

ぐっとこらえるマサオが可哀想で可哀想で。なんでここでマサオがこんな目に合わなくちゃいけないわけ?と健太大好きの私は悔しくて仕方ありませんでした。

マサオの中にあったマイナスの感情が生み出したアオ。そしていじめられ続けてたマサオはアオに促されるようにして自分の中にあった残虐性を外にだしていきます。

マサオは強い子だと思います。アオが現れても、全部アオの言いなりにはならない。ちゃんと自分の意思も持ち続けてるんです。だからたとえ自分の中にマイナスの感情があったとしても、やっていいことと悪いことをギリギリのところできちんと判断してます。いやー、マサオは本当偉いよ。私だったらアオと一緒に思いっきり仕返ししちゃうもん。

それに比べて羽田先生のひどいこと、ひどいこと。それでなくても生徒にとって先生って大きい存在なんですよ。真似する存在なんです。そんな先生がいじめの先頭に立ってどうするのよ!って感じですよ。しかも言葉の暴力、体の暴力、両方使うんですからひどいです。

先生がマサオに対してするいじめはどれも観ていて辛かったですが、「僕はダメな子です。生きている価値がない人間です。・・・」って何回も言わされてるシーンは本当辛かった。ああいうのって本当トラウマになるから・・・。

あそこまでされたのに、殺したいほど憎いはずなのに、マサオは本当偉いなぁ。そして”怖かった”ものにちゃんと真正面から立ち向かっていけるんだもん。

怖さは原作の方が上です。そして役者さんたちが舞台挨拶で言ってた通り、怖いのはアオじゃないんです。人間なんです。確かに最初は見た目的にもアオは怖いし、アオは残虐なことをやらせようとする。でもアオのそれは羽田先生とは違って理不尽ではないんですよね。自分を守る為には戦わなくちゃいけないことだってある、そして自分で乗り越えなくちゃいけない壁がある。アオはただ残虐なだけでなくて、ちゃんと人間の気持ちも持っていて、マサオに勇気を与えてくれた存在だったようにも思いました。

羽田先生は本当最悪な感じだったのですが、原作にはないシーンのおかげでちょっと救われたかな。

いじめって、本当に些細なことがきっかけで始まるものだと思うんですよ。そしていじめてる方は結構楽しんでやってしまうんですね。だけどじゃあ逆に自分がいじめられたら?そんな笑っていられる?

立ち向かう強さも必要かもしれないけど、最初にマサオが言ってたみたいにいじめられてる方は「我慢するしかない」のが実情だと思います。だからこそ、いじめる側は考えなくちゃいけない。「僕、そんなに悪い子だった?」というマサオの台詞が痛いほど胸に響きました。

masako