GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0のレビュー・感想・評価
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「ネットは広大だわ」「あーら、そ」
一部の映像が差し代わっているのね。あ、あと榊原さんになっているのもか。
よく躾けられた私は、冒頭のセリフで尻尾をちぎれそうなほど振りながらお手をし、ラストのセリフで腹を丸出しにして寝そべりながら嬉ションするのである。
気まぐれな捻くれ者の私は、追加映像は可もあり不可もありとか、警察(?)ものとしては、寄り道するような一見関係ないようで実は本質を浮かび上がらせるようなエピソードがもう一つくらい欲しかったかな、とか無茶振りしてみたり。
自分/人間/生命を自分/人間/生命であらしめている/たらしめているものは何だろう。そんなことを自然と考えてしまう。
スターウォーズの改変の様だ😱
士郎政宗の原作、押井守による映像作品化。元来、最高の作品であったghost in the shell。
CG技術の進歩により、当時表現しきれなかったビジュアルを補いたくなった気持ちは痛いほどよくわかる。
しかし、そこに手を加える事そのものが、原盤を観たものからすると、作品全体のバランスを大きく崩してしまっている様に感じさせてしまう。
後年、フルCGで新作出まくるとは、この頃思ってもいないだろうし。
それらを観た後の我々からすると、スターウォーズシリーズにルーカスが後からCGをぶっ込んだ事による世界中で起こった大クレームと同じ感覚であろう。
作品自体は良いんだよ!
素晴らしいんだよ!そこは変わらない。
やっぱり傑作です!
2.0版はこれはこれでいいでしょう、もともとの作品が素晴らしいから。久しぶりに(といっても95年版以来ですが)観ると最初に観たときの世界観の衝撃を思い出します。まぁ世界観先取り云々は評価するべきですが、それより重厚な銃撃戦やアクションシーンとそれに至るうまい演出、特に最期の戦いに向かってヘリが飛び上がるシーンのテンポのあるやり取り、雨のなか車とヘリで追いかけるときの物憂げなBGM、最期の銃撃戦の静と動の間合いの取り方とかもう痺れました、いまさらですが。世界観を取っ払うとフィルムノワール警察物の三角関係ミックスで実は古典的な構成になっているような気がしてそこがこの映画のツボではないでしょうか、ジョンカーペンターとかと同じで衣装は新しいが骨格は古いみたいな。
魂(ゴースト)の囁き
AIに関する本を読んでて、改めて見直してみた結果、ハリウッドでリバイバルされるだけの事はあると思いました。
設定は2029の事なんですが電脳、擬体、魂(ゴースト)の囁き、どれも近い未来の話ではないかと感じました。
20150805 深遠なるテーマ
アニメ版とは異なり、全体的に非常に大人でシニカルなストーリー展開にハラハラしました。リニューアル版ではこのシーンにCG必要だったのかな?とふと疑問も。それでも、この作品の骨子となるテーマは生き続けていて、やっぱり面白い作品だと再認識したのでした。
手を入れることの是非。
よく思うのですが、過去の人気のある作品をCGでやり直したり吹き替えし直したりって、良くないと思います。
映画は生ものであり、その時代に生まれた必然性があったのであり、その時でなければできなかったことだと思うのです。
最先端の技術でやり直したとしても、それはすぐに過去のものとなり、CGの進歩が特撮の進歩になってしまった現在では、却って当時に作られたままのほうがずっと価値があると思うのです。
電脳世界は、熱を持てるか
「スカイ・クロラ」などの作品で知られる押井守監督が、自身の出世作を当時最先端の技術を用いて再構築したSFアニメ作品。
「手塚治虫のブッダ」という無味無臭のトンデモアニメに落胆した後の、本作の観賞である。そこで感じたのは、高い画力と、物語に対する極限まで高められた愛情と精神性が揃って初めて、アニメという世界を深く、強く鍛え上げることが出来るという確信である。
電脳空間を、当時の最先端技術として考えられたCGシーンを多用して作り上げている本作。「コンピュータ」と「サイボーグ」。この要素が組み合わされた時点で、作品に漂う硬さ、冷たさが容易に想像できる。しかし、本作に限っていえば、その想像は軽々と覆されることになる。
水場での肉弾戦において、画面に溢れ出す瑞々しい雫の質感。多国籍の近未来都市に乱立する看板の、仄かに優しい、柔らかい看板の明かり。極めて無機質な未来の情報世界にあって、驚くほどに熱を帯びる物質の生々しさが、観客の安心感と物語世界への共感を生み出している。
もちろん、この映画空間を作り出しているのは何やら観客の理解を徹底して遮断するような長台詞の応酬であり、専門的な用語が生み出す異次元感覚である。それでも、観客が感じるのは嫌悪感ではなく、その難攻不落な舞台劇の如き台詞乱立に体が慣れ、「とにかく、身を委ねていれば何とかなる」という不思議な浮遊感である。
これは、単に体裁を整えるだけのキザな言葉の並べ立てでは生まれてこない感覚であり、作り手の言葉への強い信頼と、ぎりぎりの処で観客が理解してくれるはずだという自信がなければ出来ない。精神世界を理解へと高める「情熱」と、それを全力で追いかける観客の「情熱」。
一見、淡白に思える本作の世界を支えているのは、作り手と観客の、互いを求め、信頼しあう中で生まれる「熱」。気が付くと、その気持ちの良い温度に心が和らぐ。どこか人間臭い空間が、ここにはある。
無理にCGにしなくても・・・・・。
新規に追加されたCGですが、ネットの風景はなどはいいですが、冒頭と中盤にある素子のCGはいらないですね。もっと滑らかならいいですが、見た感じはゲームのオープニングレベル、これなら変えない方良かったですね。
榊原良子に変更された人形使いはとっても良かったです。
新たなるツールを手に入れたリニューアル版
メカなどの2Dアニメーションパートを3DCGにおきかえただけではなく、セリフもすべて入れ直して、スカイウォーカーサウンドで6.1ch化。
最大の変更点は「人形使い」の声が、家弓家正から榊原良子になってたことでしょう。この変更で「素子、バトー、人形使い」という三角関係で捉えることができた旧バージョンとはまったく違った意味合いを持つ作品になっていました。「神に近い存在でありながら、多様性を持ち得ない女(プログラム)」と「多様性(可能性)を持ちながら肉体に縛られている女(サイボーグ)」の合一と、それに関して傍観者であることしかできないバトーという違う切り口の物語になっていたのではないでしょうか。
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