劇場公開日 2012年12月14日

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「中つ国に帰って来た!」ホビット 思いがけない冒険 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5中つ国に帰って来た!

2012年12月24日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

「ロード・オブ・ザ・リング」が終了した時、最高の満足感と共に寂しさにも包まれた。もうこの興奮と感動を味わえない…。
そんな時飛び込んで来た「ホビットの冒険」の映画化。しかもギレルモ・デル・トロが監督。非常に期待していたが、デル・トロが降板。残念だったが、ピーター・ジャクソンが再びメガホンを持つ事に。撮るべき人の元に戻って来た。

開幕早々、ホビット村の風景とハワード・ショアの音楽に、ああ、中つ国に帰って来た…と実感させられた。
老ビルボにフロド、ガンダルフ、ガラドリエルにエルロンドにサルマン、ゴラムにオークたち…お馴染みの面々の登場に胸いっぱい。(ビルボとゴラムの対峙シーンはエキサイティング!)
さらに「ロード〜」好きならニヤリとなるシーンや指輪など、これだけでも待った甲斐があったというもの。
VFX技術は格段に進歩し、実写との違和感の無い合成には驚かされる。3Dの旨みも存分に活かされ、壮大なスケールと共に、贅沢な映像世界を体感出来る。

すでにあちこちで、「ロード〜」と比較されている。「ロード〜」は名作と誉れ高く、同シリーズなのだから致し方ない。
確かに「ロード〜」と比べると、“重み”が足りない。フロドは苦難の使命を背負ったのに対し、ビルボは思いがけず旅に参加する事になり、同行者的な位置付けだからだ。しかし、旅の中でビルボにも変化が表れ始める。
ホビット村の外に出るのも億劫だったビルボが、終盤でトーリンのピンチを救い、仲間の結束が固まる。小さな勇気が皆に影響を与え、「ロード〜」と共通のテーマと言えよう。今後はどんどんドラマチックになっていくだろう。

ストーリー展開はスローながら、飽きる事は無い。
仲間を集め、武器を調達し、幾多の危機を切り抜けて行く様は冒険活劇の王道で、格調高かった「ロード〜」より娯楽性豊かなエンターテイメントとして楽しめる。ゴブリンの洞窟からの脱出劇は、アトラクションのような面白さ。
また、フロドがビルボなら、アラゴルンはトーリン。真の主役とも言える彼の活躍には目が離せない。他のドワーフたちは名前と顔を覚えるのは大変そうだが(笑)

結束を固めた旅の仲間たち。
ドワーフ国を救う為、いざはなれ山へ向かう。
凶暴なドラゴン、スマウグが待ち受ける。

次回が待ち遠しい!
また映画の楽しみが増えた。

近大